第6話 宇宙船迷宮、罠だらけ!
翌朝。海辺にて、レオンとセシルは宇宙船から回収した金属装置を囲んでいた。
「なあ、セシル。こいつ、ちょっと光ってないか?」
「ええ……昨晩は光っていませんでしたのに……まるで呼ばれているような……」
まるで導かれるように、再びジャングルを越えて宇宙船の元へ戻ってきた俺たちは、昨日は気づかなかった機体後方のハッチが開いていることに気づいた。
「……おい、絶対昨日は閉まってたよな?」
「はい、間違いなく」
「開いてるってことは、『入ってこい』って言ってるようなもんだろ?」
「だからといって、素直に入るのも危険ですわ!」
と言いつつも、二人はもうワクワクが止まらない。
――宇宙船ってことは、内部はきっと超ハイテク! レーザーとか、重力制御とか、ロマン詰まりすぎ!!
「よーし、探検再開だ! 任務コードネームは【異世界スタークルーズ】だな!」
「はい!楽しみですわ!」
中に入ると、そこは迷宮のように入り組んだ通路だった。壁面には薄暗いライトがぼんやりと光り、床には不思議な幾何学模様が浮かび上がっている。
「うわ、雰囲気出てるぅ〜! こりゃ罠の一つや二つあってもおかしくないな!」
「罠……いや、それは冗談でなく本当にありそうですわよ」
セシルが言い終える前に、俺の足元がカチッと音を立てた。
「おっと?」
瞬間、重力が逆転! 俺の体は天井へと吸い寄せられた。
「ぬおおお!? 逆さまにー!?」
「レオンさん!!」
セシルがとっさに飛び上がり、俺の足首を掴んで引っ張る。だが、今度はセシルも逆さになって、二人して天井を歩くことになった。
「……なるほど。床と天井、両方に重力設定があるのかも、しれませんね」
「分析してる場合じゃねぇよ! どうやって戻るんだ、これ!」
そこで俺は、満を持してガチャ武器発動。
「ランダム・アームズ、召喚!! ……って、おい、出てきたのこれ、“マグネットシューズ”!? 古いSF映画か!」
「使えるのでは……?」
「なるほど! 天井を“床”にしてやればいいってことか!」
靴を履き、バチバチと電気を走らせながら天井(元の床)をズカズカ歩く俺。
「よし、セシル! お前も来い!」
「えぇ……?」
なんとか装置のスイッチを見つけ、重力を元に戻す。無事に二人とも着地した瞬間、今度は通路奥から青白い光が!
ズズズズ……
壁が開き、レーザーのようなエネルギーフィールドが現れた。
「おおっと、今度はビーム!? 期待を裏切らないなこの船!」
「レオンさん、真面目に! このまま進むと消し炭になりますわ!」
「落ち着け、セシル。ここは頭を使う場面だ。まずは――ガチャだ!」
俺はガチャ発動。出てきたのは――
「……空気砲?」
地味ッ!!
「……って思ったか? セシル。だがこれは“遠くのスイッチに空気を当てて起動”できる優れモノだぜ!」
「えええ……?」
俺は通路奥の壁にある小さな窪みを見つけ、空気砲でピンポイント射撃!
シュッ! カチッ!
見事にスイッチが入り、フィールドが消えた。
「やった! レオンさん、すごいですわ!」
「ふっふーん、凡人には分からないガチャの使い方ってやつよ!」
こうして、俺たちは次々と現れる罠をガチャ武器と頭脳(?)で突破していった。
だがそのとき、船内の奥から何かの“うなり声”が響いた。
――警戒モード起動。侵入者、排除開始。
「……なあ、セシル。今のって……」
「ええ。多分、歓迎ではありませんわね」
新たな冒険が、また一歩、俺たちを待ち受けていた。