第5話 無人島の秘密
朝日が高く昇るころ、俺とセシルは無人島の奥へと足を踏み入れた。
「なんかワクワクしてきたな!」
「レオンさん、本当に楽しそうですわね」
無人島にはジャングルが広がり、木々の間からは小さな滝が見えた。青く透き通る水が流れ、魚が気持ちよさそうに泳いでいる。
「まるで秘境探検みたいですわね!」
「おお! だったら俺は探検隊のリーダーってことで!」
適当に大きな葉っぱを拾い、それを帽子みたいに頭に乗せる。
「ふっ、俺の名はレオン! 伝説の無人島探検家だ!」
「それでしたら、私は副隊長のセシルですわね!」
「ギャー!」
ズドン!!
二人でくすくす笑いながら、ココナッツゴブリンを倒して進んでいく。すると、前方の森の中に不自然な光沢を持つ何かが見えた。
「ん? あれ、なんか変なものがあるぞ」
近づいてみると、それは巨大な金属の塊だった。表面には謎の文字が刻まれ、所々が焦げつき、衝撃の跡がある。
「まさか……これ、宇宙船?」
「ウチューセン?」
俺たちは顔を見合わせた。
「いや、異世界に宇宙船ってどういうことだよ!? ここファンタジー世界だろ!? 剣と魔法の世界に、なんでこんなハイテクなもんが転がってんの!?」
思わず頭を抱える。
「でも、見たところかなり古いですわね。何かの船なのでしょうか?」
セシルが慎重に機体の側面をなぞる。金属の表面はツルツルしていて、何かのエネルギーが微かに残っているようだった。
「壊れてるみたいだけど……何か手がかりになるものはないか?」
俺たちは宇宙船の残骸を調べ始めた。コックピットらしき場所を覗くと、中には奇妙な装置やパネルが並んでいる。
「これ、ボタン押したら動いたりしないよな?」
「試すのはやめておきましょう」
慎重に探索を進めると、船内の片隅で不思議な装置を見つけた。中には何かのデータが保存されているようだ。
「……これ、持ち帰って調べてみるか?」
「そうですわね。もしかしたら、この島を脱出するヒントがあるかもしれませんわ」
俺たちは宇宙船から持ち出せそうなアイテムをいくつか回収し、浜辺へと戻ることにした。
「いやー、まさか無人島で宇宙船に遭遇するとはな!」
「レオンさん、本当に嬉しそうですわね……」
「そりゃそうだろ! 異世界ファンタジーでSF要素とか、俺得すぎる!!」
こうして、俺たちは謎の宇宙船のデータを手に、次なる展開を迎えようとしていた。