第1話 異世界転移、いきなり無人島サバイバル!?
俺の名はレオン。特に目立つこともない、平凡な高校生だ。
そんな俺が、気がついたら見渡す限りの青い海に囲まれた無人島にいた。
「……は?」
状況を理解するために、まずは目をこすり、空を見上げる。
雲一つない青空。太陽が二つ。足元はさらさらの白い砂浜。
「うん、間違いなく異世界だな」
俺はすぐに状況を受け入れた。なんでかって? だって、異世界転移なんて面白すぎるじゃねぇか!
しかし、問題はここが街でもダンジョンでもなく、無人島だということだ。
「いやいや、異世界転移って普通は『勇者よ、魔王を倒してください』とか『チート能力で無双』とかあるだろ? なんでよりによってサバイバルスタートなんだよ!」
文句を言いながら、手元を確認する。何か持っているかもしれない。
すると、俺の脳内に突如としてメッセージが流れた。
——スキル【抽選武装】を獲得しました。
「おっ、スキルか! これが俺のチート能力ってわけだな?」
内容を確認すると、どうやら「ガチャでランダムに武装を召喚できる」という能力らしい。
「……おお、面白そうじゃねえか! さっそく回してみよう!」
俺は胸の中で「武装を召喚!」と念じる。
ピカッ! と光がはじけ、俺の手の中に何かが出現した。
「……えーっと、これは?」
【サンダル】
「いや、ふざけんな! なんでよりによってサンダルなんだよ!」
いきなりの大ハズレにツッコミを入れるが、落ち込んでいる暇はない。
「まあ、待てよ? これ、何か特殊効果があるかもしれない」
俺はサンダルをしげしげと眺める。
「……とりあえず履くか」
足にはめてみると、クッション性があってなかなか快適だ。
「おお、砂が熱くない! ……いやいや、そうじゃねえ!」
しかし、サンダルを履いただけで満足している場合じゃない。
「とにかく、他の武装も試してみよう!」
もう一度ガチャを回す。
【サングラス】
「……サングラス?」
次に出てきたのは、普通のサングラスだった。
「いや、これで戦えって無理だろ!」
だが、よく考えてみると、日差しを防ぐのに必要だ。
「何かもう……異世界に来たのに、夏の海に、よく居る観光客みたいに、なってきたな」
次に試したガチャで出てきたのは——。
【鍋】
「……は?」
俺はしばらく固まった。
「……なるほど、これは盾に使えってことか?」
もはやツッコむ気力すらなくなってきたが、意外と応用が利きそうな気がしてきた。
「よし、とりあえず焚き火を作って、魚でも煮るか!」
俺はスリッパを履き、サングラスをかけ、鍋を抱えながら、のんびりとサバイバル生活を始めることにした。
だが、俺はまだ知らなかった。
この島が「世界の中心」と呼ばれる未来が待っていることを——。