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幻想奇譚

午後の英国

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

明日は何処へ行こうか考えてます。

外を飾るは薔薇の花、窓を飾るは色硝子、その様なんとも東屋の如し。その様な外観の喫茶店、基、カフェを見つけたのです。故、好奇心の赴くままに、脚を踏み入れました

内装は地中海に佇む白亜の家々の様な白さと、厚みのある熱帯魚のステンドグラス。そしてその中に配置を許されるのは、アンティーク調の椅子で御座います。

外で感じた英国の庭のような雰囲気とはまた違った異国。爽やかな海を持った地中海の土地を思わせます。

私は時代を吸い上げて、色濃くなったテーブルをひと撫でし、異国の様な空気に浸ります。様々な純喫茶、カフェに迷い込んだと自負しておりますが、その中でも何とも特異な雰囲気が御座いました。それはこの喫茶店の色合い、雰囲気が関係しているのかも知れません。

時は正午を周り、三時のおやつの時間。ならば注文すべき物は決まっております。私は品物が出されるまでの間、ただゆったりとこの空気に身を預けました。

暫くして、カウンターの上を飾ったのは、アップルパイと珈琲で御座います。アップルパイの断面は、タイル張りの乱形石の様。形違いの大粒のリンゴがぎっしりと詰められております。その上下をただふんわりと包むのは、薄いパイ生地。此処まで林檎が詰まったアップルパイを、私は存じ得ません。

珈琲は色濃い黒さを称え、仄かに豆の香りを漂わせます。カップは胴体が括れ、持ち手は緩やかに湾曲しております。きっと高価な茶器なので御座いましょう。

私はフォークを手に取ると、まずは林檎を抜き取ります。宝石の粒程の大きさのそれを口に入れれば、まずはしっとりとした食感が。奥歯で噛む程に、中まで染み込んだお砂糖の甘みがじんわりと広がり、仄かな酸味が口いっぱいに広がるのです。其れは何処までも上質な。

湯気を立ち上げる珈琲に手を付けます。ストレートで戴いても、するりと喉を下るようなバランスの取れたお味。苦味も、酸味も均衡が取れ、ただ余韻だけが口の中で充満致します。

あぁ、けれども、その苦味は何時までも続く訳ではなく、ふと儚く消えてしまうのです。其の柔らかな感性が、何とも優美である事。

ふらりと訪れたのです。この世界に、その世界はとても優しく。

初めて訪れる喫茶店で、珈琲を頼むべきか、紅茶を頼むべきか、ずっと考えてます。

何時も珈琲にしてしまうんですが。

単純に、味が明確なのが珈琲だから。という理由です。


※年がら年中、口開きっぱなので、柔らかい味の感度が日々失われていると感じます。



新規開拓してきました。ぱちぱち。

アップルパイと珈琲。

アップルパイそのものも美味しいのですが、上に掛かった蜂蜜が段違いで美味しいのです。

黒蜜に近いような超濃厚な甘さ。


珈琲は正統派です。

苦いの駄目な私でもストレートでイケる程。

ほろりと苦く、仄かな酸味が特徴の味。

クリーム入れると、それがかなりマイルドになります。

この珈琲特有の柔らかさが由来かと思います。


この歳で学生違われるのはかなり嬉しい事。

幾年経っても外見年齢変わらないのは、嬉しい事です。

でも色んな意味で中身ご老人なんですよ。

物を見るとき、遠ざける癖もその一つです。

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