表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能力転生者が精霊の子供と一緒にチートな異世界人と旅する話〜主人公に執着するチート転生者を添えて〜(仮タイトル)  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/77

そういう男

その後も、カズラはアレクシアとノアの関係を応援し続けた。彼は王女がノアに(ほだ)されているのを確認して、王家とエアルドレッド家の縁談話を持ち込んだ。全てカズラの狙い通りだ。縁談が順調に進み、王女がカズラのことを忘れるまで、カズラは王宮で日々を過ごした。そして、ノアとアレクシアの結婚式が行われる日。王宮の広間では、盛大な披露宴が行われることになった。


「うまくいったね」


「カズラの作戦だ。成功しないわけがない」


その日、キルシュとトリフォは王宮の小部屋で、向かい合って話していた。


「でも、本当に良かったのかな。お姫様まで、この披露宴に呼んじゃって」


「カズラがエスコートしているんだ。問題はないだろう」


2人はノアと王女を襲った刺客だ。顔は見られていないが、体型や動き方でバレてしまえばそれで終わり。2人とカズラの関係が知られてしまえば、縁談も破断になりかねない。だから2人はカズラの側にいることもできず、こうして王宮の部屋に隠れているしかない。そんなことは、カズラの作戦を聞いた時から分かっていた。それに元々、彼らは表舞台に立てない人間だった。カズラと出会った時。それは彼らが初めて任務を遂行(すいこう)できなかった日だ。カズラは自決しようとした2人を止めて、笑みを浮かべて言い放った。


『僕には君たちの力が、どうしても必要なんだ。大丈夫。後のことはこちらで片付けるよ』


2人の雇い主だった貴族の男が全てを失って没落したと聞いたのは、それからすぐのことだった。


「ねえ、本当にあのままで良いのかな」


「カズラが良いと言っているんだ。俺はカズラを信じている。お前は違うのか?」


「そんなわけないよ。ボクだって、カズラさんのことは大好きだし、あの人の計画は絶対に上手くいくって知ってる。だけど、それでも分からないんだ。どうしてカズラさんは、すぐにお姫様と結婚しようとしないのかな」


「待っているんだろう。彼女の方から、結婚したいと申し出があるまで」


「何も無かったら?」


「それならそれで、共に暮らすだけだ。……きっとカズラは、それだけでいいと思っているのだろうな。知っているか? あの男はユールリアに気づかれないように、あの家に彼女の父が(のこ)した物を1つずつ増やしている。そういう男なんだ。愛した女の気持ちが追いついていないのなら、追いつくまで何年でも待つ。愛した女が他の男を愛するなら、その男ごと自分の身内として取り込む。それがカズラの目的だ。だから今の状況は全て、あいつの望み通りなんだよ」


トリフォは真剣な目をしていた。キルシュは目を細めて呟く。


「そっか。それならいいや。カズラさんの計画が順調なら、ボクはそれだけで十分だ」


助けられた日に、2人で誓った。カズラが何をしようとしても、迷わずに付いていくと。それは今も変わっていない。カズラの目的を達成することが、2人の願いだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ