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無能力転生者が精霊の子供と一緒にチートな異世界人と旅する話〜主人公に執着するチート転生者を添えて〜(仮タイトル)  作者: 文字書きA


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作戦決行

夜会の日。カズラは周囲の人間に気づかれないようにしながら、エアルドレッド侯爵家の次男の席に小さなカードを置いた。そして彼はノアがカードを見つけて夜会の会場を出たのを確認してから、アレクシアに声をかけた。


「今晩は。今夜は月が綺麗ですよ。一緒に見に行きませんか」


「あら……。素敵なお誘いですわね」


アレクシアが頬を赤らめて頷く。彼は彼女の手を取って扉まで歩いていった。彼女が首を傾げる。


「月を見に行くのでしたら、テラスに出れば良いのでは……?」


「今夜の月は北東の小部屋から見た方が美しく見えるのですよ。大丈夫です。何があっても、僕があなたを守って差し上げますから」


カズラは優しく微笑んで、アレクシアの手を取って会場から出た。アレクシアが嬉しそうにしながら彼についていく。そして2人は、北東の部屋の前まで来た。そこで彼は彼女を守るように立って、小さな声で告げた。


「先に部屋に入っていてください。僕は彼の相手をしなければなりませんから」


彼女が目を見開く。物陰(ものかげ)に隠れていたトリフォが姿を見せてカズラと対峙(たいじ)した。


「あの人は……?」


「おそらく、特殊な能力を持つ暗殺者でしょうね。既にこの周囲にも網が張られていると思います。彼女様は部屋の中にいた方が安全ですよ」


彼女が暗い表情になってカズラの腕を(つか)む。


「カズラ様は……」


「大丈夫。僕が死ぬことはありませんから」


カズラは笑って北東の部屋のドアを開けた。そしてアレクシアを部屋の中に入れて扉を閉めた。彼女は目の前で閉まった扉を見つめて呟いた。


「本当に大丈夫なのでしょうか……」


その瞬間。彼女の側で物音がした。彼女は慌てて扉に密着して、物音がした方を見た。外から差し込む月の光に照らされて、誰かと誰かが戦っているのが見える。黒い服装に覆面(ふくめん)の男と、上質な夜会服を着た男。夜会服の男の方の顔を見て、彼女は目を見開いた。


(あれは……エアルドレッド侯爵家のノア様……?)


覆面の男がノアを追い詰める。ノアは息を切らしながら、部屋の入り口に移動した。そしてそこでアレクシアに出会って大声を出した。


「王女様?! こんなところで何をなさっているんですか?」


「それは……その……」


覆面の男がナイフを投げる。ノアが慌てて短剣を振って、投げられたナイフを(たた)き落した。


「話は後で。王女様は先に外に出ていてください」


「いえ、外にも妙な方がいらっしゃって……今、カズラ様が戦われているのですけれど……」


「ああ、あのローゼンフェルト家の養子が……彼でしたら心配はいらないでしょう。すぐに片付けて、加勢に来てくれるはずです。それまでは私がこの男の相手をしますよ。王女様に傷をつけはしませんから、ご安心ください」


ノアが得意げな笑みを浮かべる。アレクシアは不安そうな表情のまま、彼の背に隠れた。

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