表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能力転生者が精霊の子供と一緒にチートな異世界人と旅する話〜主人公に執着するチート転生者を添えて〜(仮タイトル)  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/77

パーティー(後編)

お揃いの服を着て、同じ物を食べる。それだけのことだったけれど、ティルターシャにとってはとても楽しいことだった。彼女はパーティーに出たことなどない。けれどそれは、彼女が思い描いていたパーティーに最も近い体験だった。


「僕も着替えてきたよ。一緒に踊ろう、ユールリア」


タキシードに見を包んだカズラが、ユールリアに向かって手を差し伸べる。ユールリアはそっぽを向いた。


「私は食べるのに忙しいの。追加の料理も来たし、出来たて熱々の物の方が美味しいもの」


「じゃあ食べ終わった後でいいから、付き合ってよ」


「食べた後に運動するとお腹が痛くなるから嫌」


「つれないなあ」


カズラはどこか嬉しそうに、ユールリアと話している。彼女は呆れ顔で彼を見ている。ティルターシャはそんな彼らを見つめて、幸せそうな笑みを浮かべた。彼女は料理を皿に取り分けて、壁際に立っているオスヴァルトのところに持っていった。


「オズも食べる?」


「いや、私は食べなくても生きられる。その料理はお前が食べるといい」


「でも、食べられないわけじゃないよね? だったら一緒に食べようよ。その方が楽しいもん」


オスヴァルトは苦笑を浮かべて、渡された料理を受け取った。


「そういうことなら貰っておこう」


ティルターシャは彼に渡したのと同じ料理を皿に持って、彼の隣に移動した。2人はその料理を食べながら、目の前で繰り広げられている会話に耳を傾けた。


「だいたい(かずら)くんは昔から、行動が早すぎるのよ。今日だって急に来てパーティーをやろうだなんて言って。他の予定があることは考えなかったの?」


「予定といっても、明日に回せるものしかないだろう? それに、あの子はとても喜んでいるようだよ」


カズラがティルターシャの方を見る。ユールリアはため息をついた。


「そうね。ティルはこういうサプライズが好きだから。あなたはそのことが分かっていて、あえて何も知らせずに来たんでしょうけど」


「まあ、そういうことになるかな? ティルターシャは君の友人だ。友人が楽しそうにしているのなら、君も細かいことは言わないと思ったんだけど……」


「言いたいことは言うわ。当たり前でしょ。……ティルが笑ってるから、止めはしないけど」


ユールリアはカズラと目を合わせないようにしながら呟いた。怒りと呆れが混ざったその顔に、喜びと楽しさの色が見える。カズラはそんな彼女の横顔を見て、満足げな笑みを浮かべた。ティルターシャがユールリアに駆け寄って、彼女の手を引く。


「ねえ、ユーも一緒に食べようよ。この魚料理、すごく美味しいよ」


「……そうね」


少女たちは微笑みを交わして料理を取りに行く。そんな穏やかなパーティーは、日が落ちるまで続いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ