表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能力転生者が精霊の子供と一緒にチートな異世界人と旅する話〜主人公に執着するチート転生者を添えて〜(仮タイトル)  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/77

世界のシステム(前編)

海の近くを歩いていた3人は、小さな洞窟を見つけた。洞窟の中は狭く、外から(のぞ)くだけで行き止まりだと分かる。


「ねえユー、ここってとっても不思議だよ。なんだか、すごく落ち着く気がするの」


ティルターシャが洞窟の中に入る。彼女は何もないはずの洞窟の中を、楽しそうに見て回っていた。


「落ち着くって……ただの洞窟でしょ? 何があるっていうの?」


ユールリアが洞窟の外から声をかける。ティルターシャは何かを考えるような表情になって、オスヴァルトの方を見た。


「お父さんが言ってたの。大陸の南には、世界と繋がる(あな)があるって。きっと、ここがその場所なんじゃないかな。だからオズがここに入ったら、何か分かることがあると思う」


彼女はそう言いながら洞窟を出た。オスヴァルトが笑みを浮かべて、洞窟の中に足を踏み入れる。彼はその瞬間に目を見開いた。


「……これは」


オスヴァルトが洞窟の中心で膝をつき、床に手を置く。彼が手を置いた場所から、白い光が波紋状に広がっていく。洞窟内に光が満ちて、オスヴァルトの姿を隠した。ティルターシャがユールリアの手を掴む。


「ほら見て。あの光、なんだか分かる?」


「ええと……もしかして、あれって……」


ユールリアは空を見上げた。光の強さは違う。けれどその色と温かさは、間違いなく太陽の光だった。


「あり得ない。だって洞窟の中だよ。天井ならまだ分かるけど、床が光るなんて……しかも、それが太陽の光だなんて、そんなこと……」


「そういうこともあると思う。ここは、どんな不思議なことも起こる可能性がある場所だから。それに、中にいるのはオズだしね」


少女たちがそんな会話をしている間に、洞窟の中を満たしていた光は消えていた。先に光が消えたことに気づいたユールリアが、洞窟の床に座ったまま動いていないオスヴァルトに話しかけた。


「ねえ、分かったの? 自分がどんな存在で、卵から生まれたのが何なのか」


「……いや、その……」


彼は呆然とした顔で洞窟から出てきた。


「ティルターシャが言っていた、世界と繋がる感覚は理解できたよ。それでも、分からないことの方が多いが……」


「でもオズは、洞窟の中で光に包まれていたじゃない。絵に描かれてた生き物にも、なれるんじゃないの?」


「それは……」


オスヴァルトは戸惑った様子で後ろにさがった。その姿が溶けて、崩れていく。少女たちが見守る前で、彼の影は長く伸びていった。その生物は蛇の体と頭を持っていて、背中には魚のヒレがある。全身を(おお)(うろこ)は硬く、金属のような光沢がある。手足はなく、尻尾の先は矢の先端のような形をしていた。


「私はやはり、人ではなかった。最初から、皆は真実を語っていたんだ。だから、私はもう……」


オスヴァルトの声が、上の方から聞こえてくる。ユールリアとティルターシャは即座に、彼の体にしがみついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ