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後編

「むむ?」


ワサワサ、ワサワサワサワサ!!


「大豆ちゃん!」


F廃病院内の廊下や病室なんかから、葉の多い木の枝が繁り出した。独特な精油の臭い。


なんか、見覚えあるな。いや知ってるっ。

暗闇も見通す大豆アイは視力15,0! 見間違うことは無いからっ。


「ユーカリ?」


そうだユーカリだよ。動物園で見たことある。私は動物園も好き。動物はいきなり庭に埋めてきたりしないから。


「大豆ちゃん、これは餌だね。齧った跡がある。自分で自分の餌を育てる怪異は珍しくないよ」


「オカブも庭で肥料作ってるもんね」


「ボクは石灰入れる派!」


派、とかあるんだ。


「ま、いいわ。ユーカリときたら、やっぱアイツでしょ?」


調査部の原因候補の資料にオーストラリアの古い民芸品が倉庫から消えて、壁に穴が空いてた。ってのがあった。


「聞いたこともない妖怪だけど」


私は威吹丸を持つ手に力を込めて緊張した。海外の妖怪や新し過ぎるたり古過ぎる妖怪、人の死霊の類いは予測がつかないことが多いんだ。


妖気を探って、変質とユーカリの繁茂が激しくなる、F廃病院を進み続けた。


「た、助けて・・」


大人の女性の声! そちらにダッシュで進む。行く手をユーカリが繁ってきて阻んできたけど、威吹丸で斬り払う!


走った先には身体からユーカリが生えたOL風のお姉さんがっ、さらにその後ろには完全にユーカリの木に呑み込まれて、白目を剥いて、その木の葉を夢中で齧る獣の怪異の為すがままになってる警備員風の男性がいたっ。


調査部の被害者情報と合致!


「・・オカブ、お姉さんをレスキュー」


「わかったよっ、大豆ちゃん」


オカブはその葉を伸ばして、ユーカリまみれのお姉さんを張り付いたF廃病院の廊下から引っ剥がし、私の後ろに避難させた。


「っ?! 何だぁっ、俺の飯だぞぉっ! 横取りすんなぁっっ!!」


獣、コアラの妖怪は吠えてきた。コアラというよりゴリラと原始人とやっぱりコアラが混ざったような怪異だった。


「日本語わかるんだ」


「んあ? コイツの脳ミソ、ユーカリに変えて喰ったしなぁ。へへっ」


自慢気にごっそりなくなった男性の樹木の後頭部を見せてくる化けコアラ。


「オーストラリアで封じられるか使役の為にキープされてタチの悪い動物霊ってとこか・・」


「誰がっ、動物霊だ! 俺はアボリジニどもに崇拝され、来たばかりの頃の白人どもも80人は取り憑き殺してやった偉大なるっ」


私は最速で飛び付いて、唾を吐いて喚いてる化けコアラを多重に輪切りにしてやった。


「訂正。信仰されたにの、精霊に成り損なったゴロツキだね」


「あ、ぱっ???」


化けコアラはそのまま散りと消えていった。

F廃病院の変質者とユーカリと消えてゆく、残ったのは酷い損傷の警備員さんの遺体と、重傷だけど、なんとかオカブの治癒の妖力で一命を取り留めた気絶しているOLさんだけだった。


「大豆ちゃん、後は事後処理部がやってくれるよ~」


「うん。あー疲れた。というか、この廃病院いい加減取り壊してはしいわ。呼び込み過ぎ!」


うんざりだけど、これも仕事。


私は物塚大豆! 今日、中のいい女子グループの子が彼氏にフラれたから、めちゃ疲れてても帰ってからSNSやら電話で結構な時間フォローしなくちゃいけない運命(さだめ)のっ、JC妖怪ハンターなんだ!!

仕様変更に伴うテスト制作でした。読んでくれてありがとうございました

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