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前編

私は物塚大豆(ものづかだいず)、中学2年生。戦国時代から続く妖怪ハンターの家系のJCだ!


今夜も悪の妖怪を討つっ!


というワケでF廃病院に来た。

F廃病院は市内でも有数の怪異スポットと、星の巡りによってヤバさ時々変わるけど、今は、


中の中(ちゅうのちゅう)、ヤバい!


車で言ったら暴走軽自動車くらい。

軽自動車くらいチョロい、って字面で思ってる君!


全速の軽自動車に勝てるリアル格闘家は存在しないからね!


レスラーも空手も総合もお相撲さんも、本気の軽自動車の前には死屍累々だよっ。


それが中の中のヤバさの怪異っ。


まぁ私はプロだからそんくらいはヤッちゃうけどね!


「大豆ちゃん、気を付けてね~」


随伴させてる私の式神(しきがみ)オカブが言ってくる。


オカブは蕪の精霊を式神化させた物。理由は蕪、美味しいから。


季節を問わず、私は月に蕪を7個食べてる。葉も好き。


通常なら「名前、大豆なのに蕪食ってらっ、HA HA HAっ!!」となるだけだけど、私は妖怪ハンターの家系の子。


野良の蕪の精霊だったオカブに普通に祟られ、庭の畑に埋められたりしながらも、どうにか退治して、式神化した。


オカブにはこう言ってる。


野菜は食べられなくなると、作られなくなって滅ぶんだぜ?


と、


哀しいね・・


まぁ、オカブの哀しき過去は需要無いからすぐ進めるけど、私にはなんだかんだで式神、オカブが随伴しているんだ。


「わかってる。妖気を感じる」


F廃病院内は少し変質の兆候があった。


半端に霊感があったり、ピンポイントで怪異と波長があったり合わせられたりすると、この段階までこちら側が侵食されると、あちら側に持ってかれる可能性か高いくらい。


妖怪ハンター連合の調査部の調べでは犠牲者は既に2名。


ただ死体は上がってない。失踪。それも1人は5日前、もう1人は2日前。


2日前の人は助かるかも?


中の中くらいの怪異が現実の人間を喰うのって、意外と段取りや時間を掛けないと難しいから。


私は家に伝わる短尺長巻(たんじゃくながまき)威吹丸(いぶきまる)を手に、慎重に段々変質の激しくなるF廃病院を進んでいった。

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