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55話 新たな職員

 お兄さんと別れ、午後の仕事をする。


 怪我人はいない、冒険者の皆さんはポーションを購入しているだけだ。


 夕方になり、多少の怪我人が患者としてきたが、それほど多くはいない、全ての患者への治療を行い、これで終わったとホッとして治療室を出ようとすると、ギルド長がやってきた。


「すまないが、ちょっといいかな、これからこちらのギルドに常駐する新たな職員の紹介をしようと思う」

「わかりました」


 ギルド長についていく、一ヶ所人混みが出来ているところがあった。


 人混みは主に女性職員だ。


 なんだろう。


 ギルド長が人混みに足を向けて歩き始めた。


「紹介する、こちら、新たな職員となる、グレン・マイヤーズ氏だ、皆、仲良くしてやってくれ」


 人混みの中から一人の青年が出てくる。


 人目を引く男性だ。


「「「「「わかりましたっ!!」」」」」


 女性の職員たちが一斉に声を出す。


「彼はS級冒険者だが、今回特別に職員となった。主に強力な魔物の間引きと、冒険者への指南をお願いしようと思う」


 ギルド長が言うやいなや一斉にキャー! という声が響きます。


 若い女性職員たちは大喜びだ。


 騒ぎの中心には、艶やかな黒い髪と赤い瞳の男性が立っている。


 高い身長、細く引き締まり、均整のとれた体躯。


 白皙の美貌としか、言い様のない整った顔立ち。


 ……美しいが、美しすぎて私は、近寄れない気がする。


 近距離で見るのは駄目だ、ずっと見ていると吸い込まれる気がする。


 女性職員たちが、フラフラとルークさんに近寄っている。


 私はそうはならないぞ、とグッと足に力を入れ、抵抗する。


 近づいたら亜里沙のようになる。


 あの男性だ。


 ドルイド王国で、召喚されたときにいた男性。


 見間違えるはずがない、こんな人が二人もいるわけがないんだから。


 私はジリジリと後退り、その場から逃げ出したい気持ちを抑え込みながら、この紹介が終わることを待ち続けた。

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