表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/73

39話 ギルド長からの報酬

 それから騒然とした領主の館において、なにも飲み食いさせてもらえずに冒険者ギルドに帰りました。


 あのアフタヌーンティーセットが無理でも、疲れていたから、なにか食べたかったです。


 ただのクッキーと紅茶でも良かったのに……午後でないからアフタヌーンティーセットが結果的に食べられなかったとか? いやまさかね、ここは異世界、関係ないか。


 しかし、良い仕事をしたねぎらいが欲しかったですね。


 お昼にギルド長が気を利かせて誘ってくれたので、遠慮なくついていきます。


 例の赤い庇の店ですね。


 行列には並びません。


 どうやら予約してあるようで、店員に案内されて奥の部屋へと、ギルド長がずんずん歩いていきます。


 美丈夫なんですよね、ギルド長。


 存在感が半端ないのに堂々と歩いているから、周りの人たちから見られています。


 ちょっと緊張しますね、注目されたことがないから。


 個室に入ります。


「今日はすまなかったな、まさか、毒を盛ってくるとは思わなかった」


 ギルド長から頭を下げられます。


「いえ、私もびっくりしましたが、ギルド長はなにも悪くないですし、それよりもお嬢様の身体の中にも、紅茶の毒よりは弱いですが同じものがありました」

「そうなのか? あのお嬢様の身体の中にも毒が?」

「はい、ありましたね、同じ違和感を覚えました」

「ううむ」


 ギルド長が唸っています。


 なにかまずいことを言ったのでしょうか。


「他に気がついたことはあるか?」

「特にありませんね」

「そうか……金は支払っておくから好きなだけ食べてくれ。私は用事ができた、すまないが、一人で食事をして欲しい」

「わかりました」


 好きなものを頼みますよ。


 ピザに、じゃがいものニョッキに生ハムのサラダ。


 そして、食後に紅茶とプリンとフルーツ。


 プリンは前にいただいたコース料理で味を占めました。おいしかったですからね。


 ピザはナポリタイプですね、もちもちの生地にトマトソースが良く合います。


 チーズもよく伸びておいしいです。


 上にはトマトやアスパラ、ベーコンなんかが載っていますね。


 ベーコンだけだとしつこいかもしれませんが、野菜があるからさっぱりといただけます。


 ニョッキはゴルゴンゾーラに似た結構塩気の強いクセのあるチーズのソースです。


 うん、おいしい。


 このニョッキのムニムニとした食感にクセのあるソースがたまりませんね。


 生ハムのサラダは言わずもがな、普通においしいです。


 あー、お腹いっぱい食べました。


 でも、まだなんですよね。


 ウフフ。


 食後になりました。

 

 甘いものは別腹、プリンなどをいただきます。


 うーん、アフタヌーンティーセットがいただけなかった悔しさが溶けて無くなるようです。


 ああ、天国。


 天国が口の中で消えていきます。


 終わってしまいました。


 名残惜しさを感じながら食事を終えます。


 部屋を出て、会計について店員さんに聞くと、私はなにもしなくてもよいとのことだったので、店をそのまま出ました。


 あー、午後は何をしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ