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31話 コース料理

 オーク肉のサンドイッチおいしいですね。


 量もそれほど多くはないしちょうどいい、今度私も買おうかな。


 さて、午後の患者さんは? いますね。


 診ていきましょう。


 冷え性。


 食べ過ぎ。


 生理痛。


 軽い足の怪我。


 深くない腕の傷。


 肩こり。


 ん? ああ、胸の大きいお姉さんですか。


 細々(こまごま)と、患者さんを治していきます。


 ほとんどが銀貨1枚の仕事ですね。


 夕方になりました。


 大きな怪我をされた方はいません。


 二人、表面的な切り傷があったのみです。


 終わりました。


 あー、夕食を食べに行ってもいいのですが、隣の宿屋の食堂には行きたくありませんしね。


 どうしましょうか。


 悩んでいると誰かが治療室の扉を叩いています。


 扉を開けてみますかね。


 ギルド長でした。


 なんだろう。


「少し話していいかな?」

「どうぞ」


 なんでしょうか。


 深刻そうですね。


 いい店を予約してあるから、一緒に行かないか?


 ああ、そこで話すのですね、いいですよ。


 街中を歩き、赤い庇のある店に来ました。


 前に来ましたね、この店。


 行列がありますが、予約をしてあるので、そのまま入ります。


 ここって高いんですよね、奢りかな?


 奥の個室に案内されます。


 誰か先に腰掛けていますね。


 あ、昼間の変な人。


 立ち上がりました。


 私に向かって頭を下げます。


 自己紹介されました。


 この街の領主の館の庭を守る庭師だそうで。


 元々顔立ちが悪く、いつも怖がられてしまうので、従僕にもなれず、庭師になったそうです。


 うーん、一見すると、悪党のように見えたのですが、そう見てしまって悪かったですね。


 私も自己紹介をし、席に座りました。


 食事をしながら話しをしようと言うので食事が始まりました。


 食事は、お任せコースだそうです。


 楽しみ。


 前菜は生ハムにチーズや生野菜を巻いたものに白いソースがかかったものや、ムース状の野菜の上にコンソメのジュレが載ったものが運ばれてきました。


 食事を堪能します。


 おいしい。


「お話はお嬢様のことです」


 どうやら、この庭師の方の独断で、領主のお嬢様が病弱で、私に診て欲しいが頼めないだろうか? との話です。


 うーん、冒険者ギルドの治療室への行列には並ばせることはできないか? と問うと。


 並ばせる前にお嬢様も領主も私に診てもらっても無理だろうと、そもそも治療を望んでいない、と告げられた。


 なんでだろう。


 魚料理がきました。


 食べながら聞きます。


 どうやら、お嬢様と領主はさまざまな治療を試したそうです。


 回復魔法士を始め、特級ポーションも、もちろん試したし、エリクサーもなんとか手に入れ、あまり状態の良くないものですが、試したそうです。


 お嬢様と領主は、あきらめているんですね。


 疲れたのでしょう、期待が裏切られることに。


 そこに、お嬢様と仲のいい庭師の方が立ち上がったと。


 ふむふむ。


 魚料理を食べ終わり、グラニテがきました。


 このグラニテは柑橘類とお酒が少し入った粗いシャーベットですね。


 うーん、おいしい。


 ひんやりして、口の中がさっぱりします。


 お次は肉かな?


 牛肉ですね。


 柔らかい、ヒレ肉かな? ジューシーで牛肉の旨みを感じます。


 でも、お嬢様も病弱なだけなら病気ではないんですよね。


 息が切れて走れない?


 病気でしょうか。


 確認したいですね。

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