1話 よくある話
この世界は古代より聖女が守ってきた。
聖女の力を持つ者が正しくその世を治めれば世界は平和に導かれ、そうでない者がその世を治めれば、世界は混沌とした。
そして、今に至る。
地球。
「ふぁぁぁっ」
眠い。
ものすごく眠い。
春眠暁を覚えず。
春は眠い。
高校二年生になって学校にも級友にも慣れダレてくるこの時期。
私、宮川由菜17才。
田舎にある高校、斎川学園に通っている。
一応私立でエスカレーター式の学校だ。
制服のブレザーが有名デザイナーさんにデザインされていて可愛い。
あとは、私立なので学食が少し高いがおいしい。
私の家は田舎の旧家で、私はその家でハブられている。
家は何軒ものアパート経営などをしていて、農業も手広くしている。
もしかすると私の家は金持ちかもしれないが、私を産んでくれた母親は私の幼い頃になくなり、今は後妻の母親が家を仕切っている。
父親は婿養子で本来なら私が跡取りなのに、家に私の居場所はない。
後妻はやりたい放題。
近所からも、顰蹙を買っている。
そして、後妻の母親には連れ子がいる。
私と同じ年だ。
後妻の母親は自分の子供に私の家を継がせたいらしい。
私を追い出して。
はー、やだやだ。
面倒な話、速攻で逃げたいが逃げる場所もない。
ため息をつく。
仕方ない、とりあえず今は教室に戻りましょうかね、ここは中庭、貴重な食後の時間をここでまったり過ごしていました。
教室にはやつがいる。
義理の妹の宮川亜里沙だ。
天然の栗色の髪、ふっくらした胸元に華奢な手足。
どう見ても私の家の血筋ではない。
うーん。
顔が可愛ければパーフェクトだが、いかんせん、性格の悪さが顔に出ている。
可愛いんだけど、どこかわざとらしい。
そんな感じだ。
クラスに戻ると、亜里沙のキンキン声が聞こえる。
どうやらイケメンと言われている男子生徒に媚びているらしい。
よくやるよなー。
しかも何故か私の家を継ぐのは私だとか言っているし。
いつ決まったのかはわからないが、別の家に住んではいるが、おじいちゃんもおばあちゃんもまだまだ健在だ。
アパートの権利書や畑の権利書はおじいちゃんが持っていて、私の父親を廃嫡するよう内緒で弁護士と相談してるんだけどな。
どうなることやら。