一話
「おお。」
あたり一帯にレンガ造りの建物が広がっていた。周りを見渡してみる。どうやら開けた噴水広場らしい。先に妹と待ち合わせていたので待ち合わせ場所に向かうことにする。
「お兄ちゃん待った?」
「いやそんな待ってない。」
「そう、じゃあさっそくフレンド登録しよ。」
頭の中でメニューと念じると青色のディスプレイが浮かび、フレンドの項目を押すと既に妹のフレンド申請が来ていたので申請を受けるを押しフレンド登録をする。
『フレンドを登録しました』
「それじゃまずステータス見せて。」
「ん、いいけど。」
ステータス画面を出し、フレンド可視化を押し妹にステータス画面を見せる。
「………。」
妹にステータスを見せるとびくっと固まりしばらくするとふっと。
「不遇系祭りじゃん!!!」
「……不遇系って何?」
「不遇系っていうのはね……。」
話に聞くと不遇系というのは他のスキル、職業、種族に比べて明らかに難易度が高くかつメリットがよく分からない物をいうらしい。
「というかよくこんなに不遇系だけ集められたね。私初めて見たよ。」
「そういうもんなん?」
「うん相当だよ。まず龍人っていうのが全種族唯一の不遇種族だし、薬師ってほぼ回復魔法の下位互換だし、火薬調合は他に危険薬調合っていうのがあるから要らないし、調合と身体能力向上は範囲広過ぎて特化系取った方が効率いいし、魔石作成は使いどころがないし、刀は整備がめんどくさいし、龍の目と召喚は効果がショボすぎるし、鑑定は識別っていう上位互換があるし、そもそもこんなにいろんな系統とったら全然スキル育たないし。とにかくありえないくらい不遇祭りなんだよ!」
゛そのセリフ気に入ったのかな゛と思いつつ詳しい話を聞いてみることにする。
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「……というわけでこんなステータス構成あり得ないんだよ。アバター作り直したほうがいいって。」
「…燃えてきた。」「え、なんで?」
「なんか小説みたいだしなんかこう…燃えてきた。」
「お兄ちゃんが良いならいいけど。大変だよ。」
「最初からやりたいことあってやったし別に良い。」
妹はしばらく迷っていたみたいだがこちらが思いっきりうなずくと何か言っても無駄だと気づいたらしく、このまま話を進めることにしたらしい。
「お兄ちゃんって昔から変なとこで頑固だよね。まあ本人が良いならいいけど。パーティー組も。」
早速冒険することにした。




