さあ!リフォームの匠に俺はなる!
第4話「さぁ!リフォームの匠に俺はな
る!」
あれから2日がたった。
まず、結果から言うと大成功。沢山の魔術師や建築士が城に集まって来ている。
だが、問題もある。修理物件の取り合いだ。ほら、また起きた。
「よし、じゃあ俺はこの物件とここを直してくる。」
「は?おい、ちょっと待てよ。そこは俺が先にみつけたんだぜ?直すのは俺だ。」
「あぁ?なんだとゴラァ!」
「やんのかゴラァ!」
「ちょっと待って!喧嘩しないでください!リンガさんには、こことこの物件をお願いします。リゲルさんには、これとこっちの物件をお願いします。良いですか?
今回の目的は、誰が一番多く直すかではなく、誰が最も丁寧に、使いやすいように直すかです。喧嘩する暇があったら一件でも多く直して下さい!!」
「お、おぅ」
「あぁ、すまん」
アリシアさん、これで20回仲裁してるよ。君には「仲裁したで賞」をあげよう!...それにしてもトラブルが多すぎる。
これでは仕事にロスが出る。なにか良い方法はないか...この男達を従順な大工とする方法が...そうだ!
「皆さん、ちょっとこっちへ。
あ、アリシアさんは作業を続けて。」
..よし、集まってきたな。
「皆さん、もし、皆さんが喧嘩をせずに譲り合い、仕事をしてくれるなら、うちの秘書、アリシアの寝顔の写真をあげます。」
チラリとアリシアの方を見る、大工達。
「OKだ」
よし、これでひとまず住居は平気そうだな。
数日後、作業が完了したという連絡があったので報酬を支払った。
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「魔王様、沢山の領民から感謝の手紙が届いてます!やりましたね!」
「あぁ、そうだな。そういえば、アリシアさんはかなり頑張っていたね。なにかあげよう。何が欲しい?」
「??、いきなりどうしたんですか?
魔王様?」
「いや、ふと思い出したから聞いただけだ。気にしないでくれ。」
う、罪悪感が...
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チュンチュン
朝か...あと、5年...
「魔王様!大変です!勇者が来ました!」
「へー、勇者ね。そっか、おやすみ。」
「ダメです!!起きて下さい!!」
うっ寒っ布団剥ぐなんて酷いな。
君は俺の魔王だよ。
「わかった。わかった。でも勇者の何が問題なんだ?勇者と言えば正義の味方だろ?」
「その勇者が、前魔王の行いを聞いて、仲間達と攻めて来たんです!ともかく、王座で待機して下さい!」
え?攻めてきた?やばくね?
王座なう。眠いなう。...zzz
バン!
「魔王!かくご!」
「はっ!寝てない!寝てないよ!」
「ん?誰だ?お前?」
あ、そっから?
「じつは、..かくかくしかじか、ひしがただいけい.....というわけでして。」
「なるほど、つまりお前は、現魔王で、前の愚王とは違い、領地の経営に勤しんでいるのか。」
「そうなんです。だから、討たないで?」
「ふむ。それは領民の意見を聞いてからとしよう。」
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「お前は愚王とは違い、領地をちゃんと経営しているようだ。今のところは見逃してやろう。」
「ははっ!ありがたき幸せ!」
ふぅ〜怖かった。なにアレ。人間じゃなくて、もう化け物だよ。世界にはあんなに恐ろしい者がいるのか。....よし。極力、喧嘩せずに変なのに目を付けられないように頑張ろう。
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「では、今まで教え忘れていた。魔法、この世界、について説明しますね。
まず、魔法ですが、魔王様は闇魔法さえ覚えていればなんとかなります。歴代の魔王様には闇属性の適性が100%だったので、基本的に頭ん中で想像するだけでできます。」
へーそうなんだ.....あ!ホントだ!闇の手みたいのが出てきた!すげー!
「確認できましたか?それでは次に、この世界についてです。まず、この世界は星型で中心部分が草原、5つの角のうち3つが人間
、2つが魔王の領土です。ただ、領地と分けているからと言って国があるわけではなくおおまかな人種の比で考えています。昔は国があり、魔族と人が争っている時代もありましたが、異世界から来たと言われる初代勇者により終結し、魔族と人間の和平条約が結ばれ、平和な時代が1000年続いています。」
なるほど、つまりこの世界はラノベとかである世界の何百年も先の時代なのか。