建物がヤバい!!!!
第4話「建物がヤバい!!!!」
はい、やってまいりました。城下町。
まずは、感想から言ってみよう。
うん。ヤバいよ。ピンチだよ!倒壊寸前だよ!家の外壁にヒビが沢山入っていて、扉もただのお飾りになってる。
これは...想像以上に深刻だ..。
「前魔王の愚王さが現れてるね...」
「はい、前魔王様...いや、もうクソ魔王様でいいですね。..クソ魔王様はこの惨状を見ても何もせず遊び呆けていました。
だから、変わってくれて良かったと心から思います。」
アリシアさん。女の人がクソとか言うなんて...
いや、案外こっちが素なのかな?
「う、うん。そうだね..。でも、こんなに家がボロボロってことは食料も?」
「あ、いえ。それはありません。皆さんには一定のノルマがあってそれを達成しなければ、重罪となり、一生奴隷です。」
Oh...もしかしてこれが俗に言う。貴族至上主義?うーん。とりあえず、家をなんとかしないとな。
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「というわけで、領地の家をもっと良いのにしたいんだけど、なんか良い方法ない?」
「うーん、そうですね...一番良いのは魔王様の土魔法で作ってしまうことですが、
数が多すぎますし...あ、そこは他の人にも手伝ってもらいましょう。」
「よし。じゃあアリシアさんは、協力してくれそうな人を募ってくれ。俺は魔法を試してみる。」
...というわけで中庭です。いやぁー花がいっぱいで綺麗だなぁー.....はっ!こうしてる場合じゃない。魔法を試さないと。
「まずは、えーと、なんだっけ、そうそう。思い出した。我、地を従えし者。土の精霊よ。私の言葉に従順せよ。
アース!」
おーー!凄い!土が頭の中で考えたみたいにせり上がってきて、壁が出来た。
これを利用すれば固くて良い家が出来るはずだ!
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「この方達が募集に答えてくれた。魔法使い達です。」
あーれー?おかしいな?もっと来ると思ったんだけどな?
「はっ!少ないって顔してるな?当たり前だろ!俺ら領民を見捨てて遊び呆けてた愚王に誰が協力するか!」
そういうことか、当たり前だ。王が変わったなんて言っても、違いがわかるわけない。近くで見た訳じゃないし、まして遊んでばっかの愚王というイメージが強くて顔なんて覚えられないだろう。
「よし、わかった。俺に考えがある。
その人達は今日は返してあげてくれ。」
「え?わ、わかりました....」
「で、どうする気なんですか?考えがあるって言ってましたけど。」
「会見だよ。チラシを領地中に配ってくれ。遠くに映像を流す魔法はある?」
「はい。投影の魔法がありますが、どのようにお使いになるのですか?」
「まず、顔がちゃんと見える様にしてくれる?新しい魔王ってイメージを定着させたいんだ。後はスピーチだけど、それは俺が考えとくよ。決行は明後日、どう?間に合いそう?」
「はい!たとえこの命に代えても決行させます!私は感動しました!何を考えているのか、わからないような人かと思ったら、そんな深い考えが、お有りだったなんて!私は魔王様に一生ついて行きます!」
へー内心ではそんな風に思ってたんだ。
ふーん。後でイタズラしてやろ。
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「えーでは、最後に、新魔王鈴木様からのご挨拶です。」
「どうも。ご紹介に預かりました。鈴木と申します。この度は、愚王..ゴホン!ゴホン!
前魔王様に変わって魔王となり領地をより豊かに、素晴らしいものにして行きたいと思います。その為の第一歩として家の発展を行いたいと思います。私達の素晴らしい国の為に協力をしたいと考えている魔術師様、建築士様が居ましたら、是非王宮までお越し下さい。お待ちしております。」
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「皆さん、驚いてましたね。」
「そりゃ、そうだろう。今までの愚王というイメージから、一気に、変わったんだから。
後はこのインパクトがどれだけ効果を発揮するかだな。」