第27話 僕は生きていく。時に別れを経験して。
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【転生しても名無し】
『今北産業!』
【◆体育教授】
『ホムホム一行、港町ベルンデルタに到着。
飲めや歌えやの大宴会を経て
メリアちゃんにホムホムがベッドに押し倒される』
【転生しても名無し】
『ファッ!?』
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これはどういう状況なのか?
メリアの腕にガッチリ胴体を捕まえられていて動けない。
体と体を結ぶかのようにメリアは僕に体を密着させている。
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【転生しても名無し】
『お、お、落ち着け!
落ち着けホムホム!?』
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大丈夫。
落ち着いている。
あなた達にはこの状況の意味が分かるか?
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【転生しても名無し】
『いや、分かるっていうか……なあ……』
【転生しても名無し】
『あのさ、ホムホム。
人間の子作りについて知っているか?』
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知識としては。
ブレイドとククリが頻繁に行っている、アレだろう。
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【転生しても名無し】
『あー……うん』
【転生しても名無し】
『どうしよう……そもそもホムホムの性別って曖昧だし……』
【◆与作】
『ホント出しゃばって申し訳ないけど、こういうセンシティブなことに俺らが口出しするのってどうなの?
俺達が指示したらホムホムは応えてくれるかもしれないけど、そこにホムホムの感情はないんだよ。
ただ、状況をクリアするためにアレコレさせるって人としてダメだと思う。
まして、俺らの欲望満たすためにってこの世界の人権に対する冒涜だよ』
【◆野豚】
『与作さんに同意。
エッチなのは嫌いじゃないけど、ホムホムをエロゲ主人公みたいに使うのは看過できないや。
モニターするのもやめてあげるべきなんだろうけど、現実的じゃないから言わないだけでね
ホムホムやメリアちゃんに人格があること忘れないで』
【◆江口男爵】
『良識派の二人が言うことがもっとも過ぎて何も言えねえ……
ここで折衷案なんだが、ホムホムにこの手の助言をするのは少年誌レベルの状況の時までにしないか?
じゃないと、スレが荒れて普段の冒険にまで支障をきたしかねない』
【転生しても名無し】
『禿同』
【転生しても名無し】
『異議なし』
【転生しても名無し】
『と、いうわけだからホムホム頑張って』
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妖精たちが完全に沈黙した。
とりあえず、情報を整理すると、これは子作りをするかどうかという状況のようだ。
僕に生殖能力はない。
しかし、妖精たちの反応やブレイドたちを見ていると子作りとは生殖以外の感情に関連する目的、効果? があると推測される。
「クルスさん……」
メリアはうわ言のように僕の名前を呼ぶ。
「どうした?」
僕はメリアに問い返す。
だが、反応はない。
体を半分転がし、メリアと向かい合う形になる。
メリアの顔を見ると……目をつぶって眠りに落ちている。
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【転生しても名無し】
『寝落ちかよ!!』
【転生しても名無し】
『あー残念だ! でもちょっとホッとしている俺がいる』
【転生しても名無し】
『お酒飲んでたし、精神的にも疲れてたっぽいし、甘えたかっただけなのかもね。
ホムホム、寝かせてあげな』
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了解した。
僕はベッドの上の掛け布団をメリアにかけ、目を閉じた。
夜明け前、僕にしがみついていたメリアの腕が離れた。
僕は目を閉じたまま、寝ているフリを続ける。
「あ……あぁ〜〜〜〜」
メリアが苦悶の声を漏らす。
経験から推測するに、自分のやってしまったことを恥じている時の声だ。
「フッ……ふふふ」
メリアは自嘲気味に笑い、
「クルスさんは紳士ですね。
それとも私じゃ女に見てもらえないんでしょうか?」
と、小さく呟いた。
メリアは部屋に置かれている机に向かい、何かを紙に書いている。
書き終わると、自分の荷物を持って、部屋の外に出た。
しばらくして僕は起き上がり、机に置かれた紙に書かれた文字を目にする。
『クルスさんへ
こんな書き置きをしてごめんなさい。
本当ならちゃんとお話するべきなのだと思うのですが、向かい合ったら決心が揺らいでしまいそうで。
これまで、ありがとうございました。
何度言っても足りないくらい、ありがとうございました。
もしクルスさんに会えなければ私はあの地下で一人死に絶えていたでしょう。
さらに言えば、森で大蛇に襲われた時、アマルチアの宿で襲われた時、船旅の魔王軍との戦いの時、普段一緒にいる時、いつだってクルスさんが傍で守ってくれていたからこんな無力な私でも死なずにいられました。
いつか、必ずお返しをしようと考えていたんですけれど、それすらできなくてごめんなさい。
ここからは私一人で先に進みます。
イフェスティオは街道が整備されているし、土地勘もあるので大丈夫だと思います。
突然、何を言い出すのか、と怒るかもしれませんけど、これしか私にできることが思いつかないんです。
この前の魔王軍との戦いでバルザックさんの船員が5人亡くなりました。
名前も聞きました。
ヴェロック、ビクトル、フランツ、カール、ウィル。
どの方にも好きな人や好きなことがあって、人生を謳歌していたのです。
それを奪ってしまった原因は間違いなく私です。
私の旅に付き合わされなければ、私がイフェスティオに帰りたいなんて言い出さなければ、彼らは死ななくてよかったのです。
世界では沢山の人が死んでいます。
戦争や飢饉。病気や事故。
それは当然のことで仕方がない事なのだと思って生きてきましたけど、いざ自分が原因で人が死ぬことを目の当たりにしてしまうと、割り切ることはとても出来ません。
私がいかに想像力がなかったのかを思い知ります。
そして今、私が一番恐ろしいのは……クルスさん、あなたが死んでしまうことです。
卑怯なことを言えば、私のせいであなたが死んでしまうことが、私があなたの死を知ってしまうことが恐ろしいのです。
もっと早く気づく機会があったのに、今になってしまったのはきっとあなたと一緒にいることが楽しくて目がくらんでいたからでしょう。
あなたは私に楽しい時間をくれた。
本当にありがとうございました。
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ブレイドさんやククリさんにも申し訳なく思っていることお伝え下さい。
バルザックさんや船員の方にも。
お礼は、できるかは保証できませんけど、ベルンデルタのブレイドさんの知り合いの方を通して届くように手配したいと思います。
どうか、これからもお元気で』
手紙はここで終わっている。
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【◆まっつん】
『おい! ホムホム!
追いかけろ!
今なら間に合う!』
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それはメリアが望んでいないことだ。
僕やブレイド達が思っている以上に、メリアは傷ついていた。
その事を理解できていなかった。
僕が行っても、メリアは拒むだろう。
悲しむだろう。
泣くかも知れない。
そこまで分かっていてどうして行ける。
僕は拳を握りしめた。
メリアの決心は固い。
それを解こうとするのは僕の自分勝手だ。
ああ、自分勝手なことを思いつくくらい、僕に自我が生まれているのか。
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【◆与作】
『自嘲なんかしてんじゃないよ!
自分勝手でいいじゃん!
少なくとも俺達だってメリアちゃんを一人にさせるのは絶対反対だ!』
【◆バース】
『せやな。
このままやとメリアちゃんは一生引きずるで。
「自分は人を死に追いやった」って。
そうなってまうと、幸せなんかなれへん。
何をやっても後ろめたさが付きまとう。
ホムホムが考えている以上に人間の感情は厄介や』
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だからって、僕にはどうしようもない。
手紙を読んでメリアの決心と苦悩は分かった。
だが、僕にはメリアと同じ気持ちになることは出来ない。
メリアのやっていることは非合理だ。
矛盾している。
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【◆野豚】
『しっかりしろ!
前にホムホム言ってたじゃない。
メリアちゃんが船での戦闘に参加するかどうかの時。
「反対しているのは変わらない。
だけど、メリアの想いも大切にしたい。
僕の独断で決めてしまうよりも、もっといい答えが見つかるかもしれない」
って!
今回も同じだよ!』
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同じ……?
僕はハッとする。
メリアは独断で別れることを決めた。
僕も今、自分の判断でメリアの気持ちを推し量って答えを出した。
でも、それはお互いの独断でしか無いということか。
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【◆オジギソウ】
『メリアちゃんはさ、本当のところはホムホムと離れたくないんだよ。
書いてたよね、一緒にいて楽しかったって。
こんな風に突き放したのはその「楽しい」を失うことを怖がったから。
頭でっかちな男女の別れパターンね。
バカだなー、って思っちゃう。
なんで二人が一緒にいたのかって、一人じゃ乗り越えられないことを一緒に乗り越えるためじゃない。
メリアちゃんの抱えているのは精神的なものだけど、それだって一人で抱えるより、傍にホムホムがいることで違った解決が思いつくことだってあると思う』
【◆助兵衛】
『立ち止まって書き込み読んでる場合か。
走りながら考えろ』
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僕は走り出す。
宿の外に出ると整備された石畳の道が敷かれている。
町の外に向かって再び走り出す。
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【転生しても名無し】
『そういえばさっきの手紙塗りつぶしていた部分あったよな。
あれってなんて書いていたんだろう?』
【転生しても名無し】
『前後の文脈を推測するに、思い当たるのはあるけど。
でもホムホムがメリアちゃんの口から聞くべきだよね』
【転生しても名無し】
『せやな。
ワイらみたいに文字でしかコミュニケーションできないってわけやないんやし』
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そうだ。
僕達はずっと近くにいた。
聞きたいことは聞いて、言いたいことは言えばいい。
それができるんだ。
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【◆アニー】
『ホムホムは成長してるね。
きっと腕っ節だけじゃなくていろんな面でメリアちゃんを助けてあげられるはずだよ』
【◆ダイソン】
『久々に見に来たらすごい色々あって驚いてる。
これからはもっと見に来るわ』
【◆マリオ】
『俺もあの剣の封印を解く時はなるべく一緒にいられるようにしないとな』
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僕は頭の中には妖精たちが住み着いている。
僕の足りない部分を補ってもらっている。
それでもこの世界で生きているのは僕だ。
僕の感情や僕の周りの人間と一緒に、生きていくのだ。
突き当りに出くわし、道は左右に分かれた。
視力に集中して両方の道を確認する。
右の道の先を見た時、人影が見えた。
見覚えのある後ろ姿のシルエット。
僕は走る。
近づくほどにその人影が明らかになっていく。
華奢な体格、金色の髪の毛、そして髪の毛を束ねている碧翠色のリボン。
彼女の瞳と同じ色をしているから、と僕が贈ったリボン。
「メリアーっ!」
僕は声を上げる。
すると、メリアは振り向き、驚いた顔を見せて立ち止まった。
僕は彼女のもとに駆け寄る。
「クルスさん……
おはようございます」
「ああ、おはよう」
「……書き置き、読んじゃいました?」
「ああ」
メリアは自嘲気味に笑って、
「かなり頑張って書いたのに、読まれるのは一瞬ですね。
で、どうされたんですか?」
メリアはまるで話すことはもう無い、といった表情だ。
その表情にイラつく。
だから、僕は強く言う。
「一人でなんか行かせない。
行くなら僕も一緒だ」
メリアはため息をつく。
「私はクルスさんの善意につけこんでいたんですよ。
クルスさんだって最初からこんな大変な旅になるなんて思っていなかったでしょう。
いいんですよ、もう。
私は大丈夫ですから」
「僕が大丈夫じゃない。
僕はメリアと一緒がいい」
そう言うと、メリアは目をうるませて、
「私がもう耐えられないんですよ!
私のせいで人が傷ついたり死んだりして!
こんなことになるって分かっていたなら、帰りたいなんて言わなければよかった……」
メリアの瞳から涙がこぼれだした。
胸が締め付けられる。
僕のせいでメリアは涙を流している。
だけど、
「そんなことを言ってはいけない。
それは死んだ船員やバルザックやブレイドやククリや僕……
何より今日まで頑張ってきたメリアを否定することになる」
「っ……!」
僕の言葉にメリアは固まり、膝から崩れ落ちた。
石畳の道の上に正座するような形になって、
「う……わぁぁぁぁぁぁん!!」
子どものように大きな声を上げて泣き出した。
「私は……私は……こんなことになるなんて思ってなかった!
こんなに取り返しの付かないことになるとか、こんなに恐ろしいことになるとか……
知らなかった……知らなかった!」
これは懺悔だ。
「知らなかった」というのは責任を放棄する言葉じゃない。
自分の無知を責めている言葉だ。
楽になるためじゃない、自分を傷つけるための行為だ。
僕にはメリアと同じ気持ちになることは出来ない。
だからせめて……抱きしめよう。
メリアの背中に手を回し、僕の胸にその顔をうずめさせた。
それでも泣き止むことはない。
別にいい。
どれだけ泣いても、泣き止むまで僕は傍にいよう。
「メリア、聞いて欲しい。
あなたは僕が死ぬことが恐ろしいと言った。
それは分かる。
僕だってあなたが死ぬことを恐ろしいと思うから」
優しく、というのがよくわからないが、静かにゆっくりと伝わるようにメリアに語りかける。
「だから、僕は死なない。
絶対に死なない。
そして、あなたを守る。
絶対に死なれたくないから」
日が昇り始めた空の下、人気のない街角で、僕はメリアが泣き止むまで抱きしめて、そして一緒に来た道を戻った。
ベルンデルタの街はアマルチア以上に交易が盛んで、物資が豊富だ。
僕達は市場で買い込んだ食糧と水をリュックに詰め込んで旅支度をしている。
「おう、お二人さん。
旅の準備は出来たかい」
ブレイドとククリは早々と荷物をまとめ、いつでも旅立てる様子だ。
「なんだ。お二人さんというのは?」
僕の問いにブレイドは笑みを浮かべ僕の首に手を回し耳元で囁いた。
「お前らが朝帰りしてるのを見たやつがいるんだよ。
で、嬢ちゃんは足もおぼつかないくらいお前にメロメロで寄り添いながら帰ってきたって。
この〜、ちゃんとお部屋があるのにお外でそんなことに及ぶなんてイケナイこどもたちですねえ。
その可愛い顔でどんなことをしていたのかなあ」
グリグリと僕の脇腹に拳を押し付ける。
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【転生しても名無し】
『まあ、ブレイドさんったらお下品w』
【転生しても名無し】
『でも、このDQNがいてくれるのはありがたいよ。
戦力的にも精神的にも。
ホムホムとメリアちゃんだけだと真面目すぎて危なっかしいから』
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「ブレイドの兄貴……ついてきてもらっていいんですかい?
アンタがいくら強くても、こないだみたいなこともあるし」
「こないだのは忘れろ。
俺だってプライドが傷ついてんだ。
それに、オレはオレがオモシロイと思ったことをやるだけだ。
お前に邪魔はさせねえよ」
ブレイドがメリアの頭をグリグリと撫でる。
そうしていると、バルザックが手下たちを連れてやってきた。
「おう、クルス、メリア。
そろそろお別れだな」
バルザックたちはベルンデルタに残る。
船の修理と物資の調達、そしてアマルチア、ダーリスへの密輸品を積み込んだら機を見て航海に出るらしい。
「ああ、アマルチアからずっと世話になった」
「いいってことよ。
むしろおかげさんでサザンファミリーの覚えもめでたく、大海賊への道が開けたってもんよ。
この歳になってようやく運が巡ってきたってもんさ。
それにお前さんとの旅は心ときめく良き時間だったしな」
バルザックはニヤリと笑った。
「あと、メリア」
「はい……」
メリアは背筋を伸ばしてバルザックを見つめる。
「うちの連中が死んじまったこと、えらく気にしているらしいな」
「……はい。
本当にすいませ――」
「だったらやるべきことはたった1つしかねえぜ!」
メリアの謝罪をせき止めて、バルザックは声を張り上げる。
「お前さんのこの旅を意味のある物にするんだ!
お前さんの人生を価値のある物にするんだ!
アイツラは犠牲になっちまった。
だが、それは意味が無いものじゃない。
アイツラが命をかけてお前さんたちをこの国に送り届けたことが美談になるような、そんな生き方をしろ!
そうしてくれれば、アイツラも浮かばれるさ。
簡単なことじゃねえ。
すげえ難題を叩きつけているのかも知れねえ。
でも、お前さんならできるって信じている。
それに、お前さんを助けてくれる最高の仲間もいてくれるしな」
バルザックは僕を見やる。
僕は頷いて返す。
メリアの目にはまた涙が溢れていた。
「別れは人生の一部だ。
生きてりゃ、どこかでまた巡り合うこともあるだろう。
それまで達者でな」
バルザックは僕に手を差し出してきた。
僕がその手を握ると、思い切り引き寄せられて抱き上げられた。
バルザックの手下たちは「おおっ!」と歓声を上げる。
そして、バルザックは唇を突き出して僕の顔に近づけてきた。
咄嗟に横を向いてかわそうとしたが頬に吸い付かれた。
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【転生しても名無し】
『ぎゃあああああああwww
オッサンやりやがったあああああwww』
【転生しても名無し】
『ホムホムwww唇は死守しろwww』
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僕はバルザックの脳天に手刀を割りと強めにお見舞いする。
バルザックは呻きながら頭を抱えてへたり込んだ。
バルザックの手下は手を叩いて笑う。
ククリは口元を手で隠しながら笑う。
ブレイドは僕の肩をたたいて笑う。
バルザックも頭を抱えながら笑う。
そして、メリアも、
「フフ、クルスさんは男性にも女性にもおモテになるんですね」
と、目尻の涙を拭いながら笑った。
僕は頬を服の袖でこすりながらも、この場所の居心地の良さを感じて、自然と口角が上がった。
これにて6章完結。
だいたいここらへんが物語の折り返しです。
これからの展開を整理するために、数日投稿をお休みします。
次の投稿は4月21日(土)の予定です。
これまで以上にホムホムの物語は激動の一途をたどります。多分。
今後ともご愛読よろしくお願いします。
また、感想や評価、レビュー等々、随時受け付けています。
「最終回を見てから評価してやる」というのも大歓迎です。