プロローグ1
俺はゲームが好きだ。いくら努力しても結果がでなかったスポーツや勉強と違ってやりこんだ分、レベルという目に見える形で答えが出るからだ
勉強もスポーツも努力すればそれはしないよりは良い結果にはなる。ただ、上位には入れても一位は絶対にとれない。俺は一位を取り続ける幼なじみにどうすればそんな結果がでるのか聞いてみた
「え?授業聞いてればいけるでしょ。家じゃゴロゴロしてるだけだけだし部活も自主練とか特にしてないし」
俺はその日から勉強することをやめた。勉強もろくにせずに勉強してる自分より上のやつがいるんじゃ割りに合わない
普段勉強をしている時間にやることがなくなったから暇潰しになるようなものはないかとパソコンを弄っていると派手な広告が目に入った。これが俺とゲームの出逢いだった
成績は地に落ちた。かつて上位の成績を誇っていた俺は今では赤点ギリギリの成績になった。
「こい…こい…っ。くっそ!流石にドロップしねぇか」
いつの間にかゲーム中毒ってくらいゲームにのめりこんでいた。
「俺落ちたぜ?」
俺の独り言に入ってきたのは隣の席の友人だ。昔の友達のほとんどは偶然会ったときに話すくらいであまり繋がりがなくなった。俺がスポーツや芸能人のことを話さなくなり、ゲームやアニメが趣味といったオタク系の友達とつるむようになったからだ。
「マジかいいな…何回で落ちたよ?」
「なんとたったの三回だ!」
「三回だ?!俺もう二十越えるけど一個も落ちないぞ…」
「ちょっと、いい?」
後ろから肩をつついてくる高い声。俺に話しかけてくる女子なんて一人しか思いつかない。
「なんだよ神無月…こちらは今楽しくゲームトークをしてる最中でなぁ」
「そんなことよりあたしが優先!……今日放課後あいてるなら買い物に付き合ってよ」
後ろを振り向きながら返事をするとやはり予想通り。こちらのツンデレっぽい台詞を言うのが学年トップの幼なじみ神無月さんです。学年カーストトップの美人優等生。友達も多く教師からの信頼も厚い。すごいですねー神無月さん。いや、マジで
「お前友達多いんだからそいつらと行けよ。俺みたいなゲーマーなんてほっといてさ」
「友達はそりゃあんたよりは多いけど…あんたより多いけど…」
「おいなんで二回言った。悪かったな友達が少なくて!」
あ、こいつ鼻で笑いやがった腹立つわ。あと友達は一応平均くらいはいます。こいつの人望がおかしいんです。
「まあいいから付き合いなさい。予定ないんでしょ?」
「ふっ…それがあるんだなぁ!(ドヤァ)」
「渾身のドヤ顔をありがとう。殴っていい?」
「すまん。マジ、洒落にならんからやめて」
こいつは運動能力も高い。何から何まで才能をお持ちのようで卑怯だと思います。
「で、あんたの用事って?」
「今日からやりたいゲームがあってな…ちょ、暴力反対!その拳は引っ込めて」
「ゲームなんていつでもできるでしょ?」
「まあ、そうなんだけど受けとったらすぐにやりたいし。いやぁ…たくさん応募した甲斐があった。いや、ほんと」
なんとファンタジー作品において人気ランキング一位の有名プログラマーの新作。そのテストプレイの試作品が一万本で、抽選で当たった一万人のみができるゲームなのだ。少しすれば本作が生産されるだろうが、テストプレイでできる一万人の中の一人という栄誉を賜ることができてほんとに嬉しい!両親と妹、祖父母の名まで使って複数の応募をしたからな
「じゃあ受け取る時間までに帰ればいいじゃない」
「そうだな。じゃあ放課後行くか」
「いいの?」
「べつによく考えたら受け取る時間も18時だし問題ない」
さーて午後の授業もさっさと終わらせて買い物に行くか!