2、まず、靖国神社に合祀される人々ってどういう人?
靖国神社に合祀されるためには、条件があります。
大きく分けると、こういう人々です。
1、ペリー来航(1853年)以降、いわゆる「尊王」運動によって命を落とした人々
2、明治維新・鳥羽伏見の戦い以降に戦地で死んだ軍属の人々
3、軍のために作戦等に協力して死亡した民間人
4、戦後処理によって刑死した人々
えー、結構意外じゃないでしょうか。
特に、1、についてはご存じない方も多いのではないでしょうか。なぜこんなことになっているのかというと、実は靖国神社のスタートに深く関係しています。明治初年から二年にかけて行われたいわゆる戊辰戦争における官軍の死者を弔う目的で作られたのが、靖国神社の前身である東京招魂社なのです。その際に、戊辰戦争だけではなくてもっと前、幕末の動乱期に命を落とした維新志士たちを一緒に弔おうとしたわけです。というわけで、靖国神社には幕末の教育者・吉田松陰も合祀されています。
また、2。これは戦場で死んだ人もそうですが、戦病の末に死んだ人なども含まれており、また軍務中に死んだ場合(一般には殉職と言われる場合)も該当します。
3、も結構意外かもですね。たとえばこの中にはひめゆり学徒隊なども入っています。
そして、4。これはいわゆる「法務死」扱いされている人々のこと。つまりは、東京裁判で裁かれて死刑になった、A、B、C級戦犯たちのことを指しています。
これをまとめると、「幕末から第二次世界大戦の終わりまでにおいて、戦争に関わることで死んだ日本軍属・あるいはそれに準ずる人々」や、「幕末期に活躍した尊王家」などが合祀されている、とでもなりましょう。
という前提をご理解いただいたうえで、次のページをご覧ください。