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プロローグを騙る根源/語る権限

書きたいから書いたとしかwとりあえずネタの続く限りやっていこうかと思います。

『すべてを知ったのは、すべてが終わったあとだった。




まるで最初から決められていた台本通りの動きに沿っただけと言うかのように




とあるフリーターの言葉より』




「ーーまぁ、こんな具合かねぇ。編纂(へんさん)したのがリフィアちゃんである時点で話が幾分か盛られるのはわかってたし、このくらいは許容範囲かなぁ」


藍色の机を挟んで自分の真正面に座り、今しがた朗読していた本を閉じた男は、




「これから始まるのは、数え得ぬほど永きに渡る現実の


「あっと、勘違いしないでもらいたいから一応注釈しとくけど、この話の主人公は俺様ちゃんじゃあない。こんな主人公がいたって、きみたちは困るじゃん?」


ーー私に言われても困る。私は物語を紡ぐ者であって、物語を読む者ではない。


「ドライだねぇ。せめて自分が書いた分くらいは読み直ししといたほうがいいと思うよぉ?




「まぁともかく、今回だと俺様ちゃんは『原因』という形では関わったけど、それだけにすぎない。そもそも此の場所においては


「世界から繋がりを断たれ、此の世の理から追放され、存在しない筈の現実と幻想の境界線上に追い遣られた、




「あぁ、今しがた俺様ちゃんが発言した専門用語は、忘れてもらって構わないよ。きみが完全記憶能力者でもない限り、きみが忘れない内にこれらの言葉がまた話題に上がることはないだろうからねぇ。




「ただ、無数に生まれる世界の中で、記憶の一億光年の彼方に一秒でも留めてくれれば、彼ら彼女らも喜ぶだろうからね。


世界を旅し、幾多もの歴史と喪失を刻んだ〈団長〉も、

世界を欲し、その罪から唯一神に罰された〈魔女〉も、

世界を導き、その死の結末を阻止してきた〈導師〉も、

世界を愛し、それ故に愛する理由を失った〈英雄〉も、

世界を殺し、神世の中ですら忌名(いみな)とされた〈災厄〉も、

世界を知り、その世界の真実に踏み込んだ〈識者〉も、

右折左折。運命湾曲を経た末に俺様ちゃんと同じ末路を辿ったことだしねぇ。かはははは。今やメル友の仲なんだよ?」


ポケットから取り出したケータイを開き、これ見よがしに電話帳欄を見せる青年。その細く見開かれた目の奥からは先ほどまで消えていた『膜』が再び張られ、声音も何かを吟味するようなそれに戻っている。


しばらく自慢ともつかぬ一方的な話をするも、ふと青年は思い出したようにケータイを閉じた。


「ーーおっと、ゴメンゴメン。どうやら身内話に時間を割き過ぎてしまったかなぁ?この通り、反省してるよぉ。かはは。


「……そんな胡散臭そうな顔をされてもなぁ。これでも生真面目に努めて説明している身としては、少々悲しいかなぁ。


「まぁいいとするかねぇ。そもそも俺様ちゃんたち自体を、認知している存在の方が珍しいくらいだしさぁ。きみがどんな反応をしたところで、少なくとも俺様ちゃんの予想の範囲内だろうし、


「偶然偶々奇跡的奇想天外絶対不可能に等しい確率も、起こり得てしまえばそれは須臾(しゅゆ)の中だろうと確定された因果律の中だろうと、どちらにしろ同じことだしねぇ。


「そんなが、これから語る物語のとなる。


「かはは。気を楽にしなよ。この物語はきみが想像するほど殺伐で憂鬱然としたものなんかじゃない。シリアスの存在は否定しないけど、それでもコメディの枠に反しないことは、この俺様ちゃんが保証するよ。


「だから、これから本編を読むきみは、何の気負いもなく楽しめる限りで楽しんでいけばいいさ。ここでの話は、夢見の悪い時に見た一時の夢幻だとでも思ってくれればいい。



「いやぁ、しっかしすまないねぇ。こんな出番もないような俺様ちゃんに貴重な冒頭を使わせてもらっちゃって。


ピリリリリッ、と青年の手の中でケータイが鳴り、電子音を異形の空間に響き渡らせる。


「もしもしー?おぉ、こんな忙しい身の俺様ちゃんに何用かねぇ。

ーーえ?今回の作戦が失敗臭い?いやいや、これでもウチんところから出せるだけ戦力は出したし、

というよりねぇ、きみのトコの〈団長〉の口癖でも思い出しなよぉ。


一割やられたら九割で勝て。

三割やられたら七割で勝て。

五割やられたら五割で勝て。

七割やられたら三割で勝て。

九割やられたら一割で勝て。

それでも無理なら限界を超えろ。

全力を超えてでも全開で敵をぶっ潰せ。


孫子も涙目な脳筋理念でどうにかできーーあ、切れちゃったよ。なんかの余波で向こうのが壊れちゃったのかねぇ……そもそも機材斡旋所の《機魔機構(きまきこう)》は一体誰が管理しているんだと思ってーーーー」


そこから始まる通話相手への愚痴とも文句とも取れる青年の独り言。


話が終わったことを悟り、これ以上青年に付き合う義理も理由もない『 』は席を立つ。




「かはは。わざわざ電話一本で引き止めて悪かったねぇ。思ってたより話が立て込んじゃったのは、誤算だったかなぁ。



退室。そしてーーーー

どこかで見たことあるようなネタがてんこ盛りだったり、作者がド素人であったりしますが、それでもお付き合いしてくれる方は、よろしくお願いします。

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