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プロローグ 「お迎えに参ります」
「この人が・・・カイリ・・お嬢様・・・・・」
テレビの画面の前で、少年がつぶやきながらパジャマから服に着替える。
黒いシルクハットに、黒く無地のスーツ。それから、黒のマントと黒いローファー。
コツコツと音を鳴らしながら、部屋の外に出て町へと出る。
「おぅ、アル。またどこかにでかけるんか?それとも、だれか迎えに行くんか?」
町の商店のおじさんが話しかけてきた。
「まぁな」
「お!さては彼女か?!」
「そんなもんかな。じゃあ、俺行くから。」
そう言い残して、アルと呼ばれていた少年はコツコツと音を立てて歩き始める。
「お嬢様、待っていて下さいね。今、お迎えに上がります」