一日の過ごし方(帰宅)
【仕事終わり】
〜寄り道〜
『マリーさん?洗濯と掃除終わりました!』
「あら、ありがと!今日は大変だったでしょ」
作業中の手を止め、ニコッと笑ったマリーは、ポケットから飴を取り出しアルシアに渡す。
『うわぁ〜!!ありがとうございます!』
「最近流行ってるいちご味の飴よ!アルも好きだと思うわ」
『いちご味!?美味しそうです!』
もらった飴を顔の前に持っていき、キラキラした目で飴を見つめる。
「食べながら帰らないようにね!喉に詰まって危ないわ」
『うっ…わかりました!』
家に帰ってから食べることにして、もらった飴を大切そうに腰の布袋に入れる。
『あ!良かったらこれ!』
と最近作った香り付きの傷薬の小瓶をマリーに手渡す。
「なに?」と不思議そうに小瓶を眺めるマリー。
『庭で咲いてたハーブを使った、香り付きの傷薬です!』
「香り付きの傷薬?」
小瓶の蓋をポンっと開けて、鼻を近づける。
「うわぁ〜とてもいい香り!」
興奮気味のマリーに、アルシアは嬉しい気持ちになった。
『普通の傷薬とは効能が違うので、水仕事の後に塗って香りを楽しんで欲しいなって!』
「なるほど〜」
そう言いながら、マリーは早速少し手につけて使い心地を確かめる。
「……!サラサラしてて香りもあって、、、これ最高じゃない。」
うっとりと手を見つめる姿に、アルシアの創作意欲がくすぐられる。
(また違う香りの研究を…)
頭に浮かぶアイディアをブツブツ呟く。
その姿にマリーは「ふふ、早く帰ってゆっくり休むのよ」と優しく頭を撫でてくれた。
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『ロロお待たせ〜』
仕事を終え、扉を開けると、
「遅いじゃないか」と不機嫌な気持ちを表しているのか、ロロはわざと顔を背ける。
そのくせ尻尾だけはぶんぶん振れていて、アリシアは思わず吹き出した。
『待たせてごめんね!帰ろ』
帰る時は朝と違い、街を出るまではロロと歩いて帰る。
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昼前の街は、もうすっかり人で賑わっていた。
通りを歩けば、香ばしい匂いがあちこちから漂ってくる。
『……ロロ、せっかくだし寄っていこうか』
しっぽをぶんぶん振りながら先に走っていくロロ。
辿り着いた屋台で、串焼きを二本買おうとすると、店主のおじさんが声をかけてきた。
「嬢ちゃんは昨夜は大丈夫だったか? 魔物の騒ぎでひどくやられちまったらしい。修復にはしばらくかかるそうだ」
『えっ……そんなに……』
思わず顔を曇らせるアリシア。
「だが安心しな。騎士団が見回りを強化してくれるってよ。今は屋台を開けるくらい落ち着いてるんだ。嬢ちゃんも腹いっぱい食って元気出しな」
おじさんの言葉に少しだけ肩の力が抜けて、アリシアは串焼きを受け取った。
『ありがとうございます。……いただきます!』
近くのベンチに座って、熱々の串焼きを頬張る。
頬張った瞬間、口いっぱいに広がる肉汁と香ばしさに、思わず笑みがこぼれる。
『くぅ〜〜〜う美味し!!!』
ふと隣を見ると、ロロは自分の分をもう食べ終わって、じーっとアリシアの手元を見つめていた。
『……だめ。これは私のご褒美!今日だけは譲れないんだから!』
そう言いつつも、でも結局ロロに分けてあげる。
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『さてと、帰りますか!』
串焼きの香ばしい余韻を口に残しながら、アリシアはロロと並んで歩き出した。
我が家に向かう足取りは軽かった。




