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一日の過ごし方(お仕事)


【病院の仕事】

〜洗濯編〜



病院の扉を押して中に入り、慣れた足取りで自分の作業部屋へ向かう。

仕事の内容は、洗濯と病室の掃除。


『マリーさん!おはようございます!』


「あら!もうそんな時間なのね!おはよう!今日もアルの前髪は絶好調ね」


優しく声をかけてくれたのは、病院で働く看護師のマリー。

朝の数時間しかいないアルシアは、人に会うことはあまりない。

マリーとは時間が被るため、よく面倒を見てくれる。アルシアにとっては上司のような存在だ。



ふふっと笑いながら、ぴょんとはねた前髪を直してくれる。


『えへへ……今日もよろしくお願いします!』


――挨拶を交わしたあと、アルシアは洗濯場へ向かった。





『うわぁ……! な、なんだこれ!?』


大人でも腰を抜かしそうな量に、アルシアは目を白黒させた。

そのとき、慌ただしい足音とともに、さっき別れたばかりのマリーさんが飛び込んでくる。


「アル! ごめんね、伝え忘れてたことがあるの!」


『マリーさん!? びっくりしたぁ……』


急いで来たのか、胸を押さえながら息を整えるマリー。


「その洗濯の山はね、昨日の魔物騒ぎのせいなの」


『えっ……魔物!? 本当に!?』

アルシアの目が丸くなる。


マリーはこくりとうなずき、声を落とした。

「そう。街中に現れて……討伐はできたんだけど、負傷者が多くて、騎士の方達が緊急入院しているのよ」


『そんなことが……!怪我は大丈夫なんですか?』


「油断はできないわ。だから今日は、なるべく静かに仕事をお願いできる?」


『もちろんです!静かにやります!』


「ありがとう、アル。本当に助かるわ」


にこっと笑ってマリーは自分の仕事へと戻っていった。


(だから今日のロロは、いつもと違う道を通ったんだ……)

普段は選ばない道を歩いたのは、被害のあった場所を避けてくれたのをこの時知った。



そして、騎士の人がここの病院を利用することは珍しい。

騎士団専用の病院もあれば、身分が高い人達が利用する病院もある。


アルシアが働いている病院は、平民や冒険者、旅人など誰でも気軽に診療にこれる病院だ。そんな施設に差がある病院に緊急で運び込まれたってことは、重傷またはそれ以外の理由も考えられる…。



(……詳しいことは分からないけどいつもより気合いを入れなきゃ)


『よし…!』

腕まくりをし、目の前の洗濯の山に取り掛かった。



『今日ぐらいは使ってもいいかな…』


アルシアは周りに気づかれないよう、水魔法をそっと使った。

魔法を人前で見せないこと――それはマルダとの大切な約束。

ほんの少しだけなら、と誰にも気づかれないように。


『まずは汚れた布は水につけておいて…着衣やタオルを先に済ませるか…』


(今日は香りのオイルも一緒に入れてみよう)

布袋から小瓶を取り出し、最近完成したラベンダーのオイルを水に数滴垂らして揉み込みながら洗濯を始める。


『ほのかに香るくらいに調節して……』

ほんの少しでも、患者の気持ちが和らぎますようにと心を込めて洗濯物を洗っていく。




--------


『ふぅ〜今日は天気が良さそうでよかった!』


洗濯物の山を干し終えて、登り始めた太陽に向かって背伸びをする。

達成感にひたりながら、ちょっと休憩と持ってきたパンを頬張った。


『うわ!今日のパンは……胡桃入りだ!』

マルダの手作りのパンが、疲れた体にじんわりと染み渡る。


乾燥ハーブを飲み水に入れて、即席ティータイム。


少し休憩して…

『よし! 残りの掃除も頑張るぞ!』




再び気合を入れ、アルシアは掃除道具を取りに向かった。



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