幕間:とある大学教授の受難1
投稿が遅くなりました<(_ _*)>。
色々と忙しく中々書く時間が・・・
まぁ、頑張って続けていく所存です。
世界が変わる。妻と朝食を摂りながらテレビ報道を見ていた佐々木は思った。
実際、職場の大学でも出勤してからも同僚みんな、日本全国で見つかり始めた不思議な穴のことを話していた。
午前中の講義の時も生徒達は上の空のようで隠れてスマホを弄っていた。
あ、それはいつものことだった。
佐々木 了。今は43歳で帝都大学の准教授で、言語・文化人類学を中心に五年間教鞭を取っている。
自分の講座の単位は出席さえすれば取れるが、講義がだるいと生徒達に言われているのは知っている。
もうあきらめの境地に至っているし、生徒達もなんだかんだで好いてくれているので良しとしている。
そんな中、昼ごはんを済ませ、午後の講座を始めていた所、コンコンとドアを叩く音が。
――遅刻か?そう思っていたが講義を開始して既に15分、この時間までなると諦めてブッチするものだが・・・
「どうぞ」
そういうと、ドアがソローッと開く。するとそこには見知った顔が。
事務の平井とは歳が同じで、最近ではめっきり減ったタバコ仲間だから良く喋るがここで見るのは初めてだった。
「佐々木さん、授業中すみません。」
平井が申し訳なさそうに頭をペコペコ下げる。
なんだなんだと見てくる生徒たちを手で宥めながらドアに向かう。
「平井さん。どうしたんですか?」
生徒たちに聞こえないように小さい声で尋ねる。
「えっと、・・・」
平井が佐々木の肩越しに目をやる。
佐々木も一緒に見ると、コソーッと近寄っていた男子生徒がビクッと片足上げたまま止まった。漫画の泥棒が見つかった瞬間のような感じだ。
佐々木はため息を吐きながら半目でその生徒を睨む。
「清水・・・。」
清水はいそいそと席に戻った。
平井さんがなんか焦っている様子だったから小さい声で端的に訊いた。
「時間かかる感じのやつですか?」
すると平井がうんうんと頷いた。
「教務の方で緊急の休講が決まりました。」
すると小声で話ていたはずなのに後ろで大歓声が上がった。
平井は狼狽えていたが、佐々木はまた、ため息を吐くと、振り返って
「よし、すまんがそういうわけで休講だ。先生は急ぎの用事があるから質問などがあれば、メールでしてくれ。振り替えは後日連絡する。はい、解散」
「ウェーイ!!!」
後ろで生徒たちが盛り上がった中、佐々木はさっさと荷物を片付けると教室をでた。
廊下で平井さんが汗をハンカチで拭きながら待っていた。
「すみません、平井さん。」
そういうと
「いや、大丈夫ですので、行きましょうか?」
平井に案内されながら廊下を歩いていると、いつもの研究棟の空気がどこか違っていた。
「何か聞いた?」
佐々木がいつもの砕けた口調で平井に訊くと彼は首を横に振った。
「あんたを、至急、総長室に連れてこいとしか。」
それを聞いた佐々木は青ざめた。なんか俺まずいことしたか?
まるで、佐々木の心を読んだかのように
「なんかやらかした?」
「いやいや、何もやってない・・・はず。」
本当に、まずいことはしてない。
強いて言えば、総長をカモ眉毛などと家ではあだ名で呼んでいたがそれがバレるはずも無いし、そんな下らない理由で途中休講などという手段は取らないはずだ。
一歩一歩、総長室に近づくにつれ、胃がキリキリし出した。
平井が総長室の戸を叩く。
「総長、佐々木准教授をお連れしました。」
「入れ。」
しわがれた声がした。
平井が戸を開けて佐々木はネクタイを締め直して総長室に入った。
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次の展開もいろいろ考えてるので、よかったら引き続きお付き合いください。
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