そろそろ奴がやってくる
いや
もしかしたら少し焦げたぐらいかもしれません
人によって見方、感じ方は違いますし
新たなレイアウトとして捉えることも可能かもしれません!
いいからすぐに案内しろ!!
はい!!
俺はまる焦げになってしまった部屋の近くまで
恐る恐る警備長を案内する
こ、、こちらになります
部屋の近くへと来るなり、警備長は大きなため息をついた
またか、、、、
バカ者が!!
だから日頃から修行を怠るな!と言ったんだ
あれほど力の調整が出来るように修練しろと言ったはずだぞ!
日頃からサボっていたわけじゃないですって!
毎日、欠かさずに力調整の練習はしてきました!
これは嘘じゃない
だが、どれほど努力しても力をコントロールすることは叶わなかった
いくら説明しても警備長の怒りが収まる気配はない
挙げ句の果てに
例え身に危険が迫ったとしても
もう2度と力を使うなと注意をされてしまった
その後、警備長は
俺が丸焦げ、、いや
黒く彩ってしまった部屋を後にした
他に異常がないことを確認し終えると
帰路へつく
はぁぁ
ため息をつく俺の横へ希美がやってきた
警備長も酷いわよね。
もし、私の手に負えない相手が来たら、手の打ちようがないじゃない。
来たらその時は逃げるしかないな〜
そんな他人事みたいに言ってるけど、今の状況、相当まずいわよ。
それに例の奴が現れる日って今夜じゃなかった?
霊は常に存在を維持できるわけではない
霊には本調子とそうでない時がある
そのため霊力が弱い時は姿や形・気配すら感じることはできない
廃院には一体だけ、ここに残存する霊で強力な奴がいる
他の霊とは比べ物にならない奴が
そいつが本来の力を持って現れると予想されているのは今夜なのだ
先月も同じ日に現れたが、祓わずに身を潜め
やり過ごした
今までやり過ごしてきたのは
俺がここへ配属された時から既に奴は存在しており、俺の力があれば祓えないことはないが、ある程度の力を引き出す必要がある
奴と戦うこと
それは何を意味するか
警備しなければならない廃院を全て消し飛ばす程の力を出して
ようやっと奴を狩ることができるということだ
そのため奴とは戦闘を避けてきた
だが、それもそろそろ限界が近づいてきている
霊の中にはある程度の力を有する器にまで成長しても急激に衰え自然消滅する奴がいる
俺達はリスクある戦闘を避け、一定期間様子を見てきた
しかし奴の霊力は衰えるどころか高まりつつある
建物へ害を脅かす力を所持する存在へと深化し始めている
そろそろ静観するにも限界が来てるわよ。
私の結界だって完全じゃない