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最強の警備員巡回中です  作者: 鳴瀬 春
第一章:警備員
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近づく足音

俺は警備員としての存在がバレないように

いつも結界がはられた場所に身を潜めている


結界の中に

この世のものでない存在は侵入することが不可能なため

俺は安全地帯と呼ぶことにしている



安全地帯とは、院内に設置されているロッカーの中だ

ロッカーの中?って驚く人もいるだろう


ただ、このロッカーは通常の物とは異なり、大の大人2人が横になれるくらいのスペースは確保されている


いつもロッカーの中で来訪者の有無を確認している

俺が仕掛けた隠しカメラを通じて来訪者の有無を確認している


そのため来訪者の性別や年齢層、人数

院内のどこにいるのか?

などといった情報はカメラなどから得ている



俺は院内に身を潜めて、来訪者の対処にあたる

3人組の男女が院内に侵入したことがわかった



来訪者達が階段に差し掛かったところでトラップ1を作動させる



トラップ1

ラジオの起動だ


急に流れ出す音声に来訪者の女性が悲鳴をあげた


3人組の男女が玄関口まで逃げるのがわかった


どうやら1トラップで全員を追い返せたようだ


ふぅぅ

第一段階で追い返せたことに安堵する。


来訪者を追い返すことに成功したのはいいのだが



安心したのも束の間で



巡回の時間がやってきてしまった


巡回する時間があらかじめ定められており

1時間おきに1回



院内を直接に見回らないといけない

そのため安全地帯から出ないといけないため

この瞬間が1番危険なのだ



安全地帯から身を出し、巡回を始める

勿論、警備員がいると知られてはならないというルールに乗っ取り、ライトおよび警備の制服などはこの現場に配属されてから、一度も使用したことがない



この現場へ配属されるのには条件がある

勿論、霊がいる前提の現場なため「見える」人間でなくてはならない



しかし、俺は自分から見えることを言いふらした覚えはないのだが、前の現場でやらかし過ぎたためか

こんな場所へ送り込まれてしまった



上の狙いはわからないが、自主退職させるのが狙いなのだろう

そのため俺の精神が病んだり、行方不明になってくれた方が都合が良いのだろうな



まったく酷い話だ



小さい頃から俺には他人に見えないものが見え

使えないはずの力が使えた


こんな話を聞いたらいいなぁって思う人間もいるかもしれないが、現実はそうじゃない



だって考えてみてくれよ

トイレで座りながら便器に尻をつけて


おぉぉぉぉぉ〜

今日は快便だなー


なんて

どれだけ排出されたか観察しながらウンコしてると視線を感じるんだよ


便器の中から視線を感じた方へ目をやると

同じ高さの視線でこっちガン見してる婆さんと目が合いながらウンコしたことがある



こんな経験談

恥ずかしくて

絶対に誰にも話なんて出来ねぇよ

霊なんて

見えてもまったくいいことなんてない


この仕事だって本当は辞めたいけど、危険が伴う仕事だから手当は凄くいい

霊関係の仕事だし、特殊な人間にしか出来ないから、年収は弁護士並みに貰えている


これからのことを考えると貯金もしないといけないしなぁ〜辞めたくても辞めらんねぇーわ



そんなことを考え巡回をしていると

最後の巡回部屋へ辿り着く

恐る恐るドアを開け、問題がないことを確認し、安全地帯への帰還を試みる




のだが、、、、





トントントントン

誰かがヒールで歩く足音が聞こえてくる

まだ来訪者が残っていた?

      のだろうか?


だが、「人」の気配は感じられない

俺は息をのみ

自身の気配を極限まで消し


近くにあったトイレへと逃げ込むことにした

この時間帯の鏡は見るもんじゃないな

何かが見えてしまいそうな気がする


そう思いながら

入り口を通り

1番奥の個室に身を潜める


個室の扉は天井と足元にほんの僅かだが隙間があり、隠れる場所としては最悪だが、先ほどの位置からバレずに移動するにはこの場所が最適だった



身を潜めて5分が経過し、先程のヒールの足音が消え問題ないと判断し、俺は安全地帯に帰還する動きへシフトしようとした


その時だ


トントントントントン

とヒールの足音が徐々に

こちらへと近づいてくる


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