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最強の警備員巡回中です  作者: 鳴瀬 春
第一章:警備員
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ルールは絶対に守れ

俺の名前は佐藤 優

歳は25歳

歳=彼女いない


俺は警備の仕事をしている

田舎に派遣され、長閑な地域で仕事に励んでいる

最初はなんでこんな辺鄙な田舎にと思っていたが、

最近はそうでもない


ここはとにかく空気がいい

鳥の囀る声が聞こえてくるし、風のせせらぎが感じられる


10代の頃は都内に暮らしていたが、仕事の都合で今は田舎暮らしをしている


ただ、困ったことがある

俺が任されている警備の対象は普通じゃないのだ


普通ではないというと

どういった意味で?

と思うかもしれないが、、、


俺の管轄は廃病院だったり、廃校、廃神社

どこも人がいなくなり、使われなくなった場所ばかり


現在、担当しているのは心霊スポットとして全国に知られている有数の廃病院だ


廃れた建物を警備する意味など

無いではないかと思う人もいるだろう


ただ、誰にも使われなくなったからと言って、その建物や土地の所有者は必ず存在する


そのため好き勝手に侵入して良いわけがない


この仕事を任されて2年ちょい

たまにいるんだ

勝手に許可なく侵入してくる者達が

たまに精神を病んだりする者もいるらしく、運が悪いと行方不明になったり、自殺する者もいるらしい


最初は地元のヤンキー達が頻繁に訪れていたが、もう2度と訪れることはないだろう

ここは生半可な気持ちで来る場所ではないのだから

来るならそれなりに命懸けで来るべきだ


病院が閉鎖される前までは

この地域の全ての人が集中するほど賑わっていたようだ


だがある時を境に廃病院へと変化した


この病院に入院していた患者達が医師によって殺害されるという事件が起きた


医師は心神喪失状態で無罪判決を言い渡された


しかし事件から2年後

その医師は病院で惨殺され、現場は惨たらしく、悲惨な状態だったらしい


医師を惨殺した犯人は

殺された被害者の遺族だったようだ

動機は遺族の仇討ち


全国で捜査網が敷かれたが

犯人は捕まる前に自ら命を病院で絶った


犯人の遺体の近くには遺言と思われるものが置かれていた

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」

繰り返すように誰かに謝っているかのような文章が書かれていたという



それからというもの

この病院には曰くが生まれた


1ナイフを所持した幽霊が出た

2白衣を着た医者が微笑みながら追いかけてくる

3髪の長い女が血だらけで追いかけてくる

4病衣を纏った患者を見た

など様々な噂が広まり始めた



俺はこの病院に配属される前に

俺の前任者だった者から引き継ぎを受けた


それは生き残る上で絶対に欠かせないルールだと言われた


①扉をノックされる音が聞こえたらすぐさまその部屋から逃げろ


②風の音が聞こえたら近くにいるため気をつけろ


③警備員が在院していることを

この世の者でない者達に悟られるな


そして

④口笛が聞こえたら、もう諦めろ


---------------------


①扉がノックされた時は既に部屋の中にいるらしく、背後をとられているから逃げろ


②風の音が聞こえたら、近くにいる合図とのことだ


③どうやら存在が悟られると霊の徘徊がより頻繁になるようで襲われる確率が上がるからだそうだ


 警備員なのに堂々と警備できないって、他の職場じゃ絶対有り得ないよな


④これに関しては最早ルールではなく、死刑宣告だろ



そんなことより

ナイフを持った幽霊が出た時の対処法を教えろよ

と思ったが、俺の前任者である先輩と会った時には既に心身を病んでしまっていた


そんな状況下でも俺のことを心配して助言をくれた

だけでも感謝するべきなのだろう



深夜2:00をまわった頃、1台の車がやってくるのが遠目に見えた

どうやら今日も来訪者がやってきたらしい



懲りないねぇぇぇ



俺が警備員として来訪者を追い返すのは最終手段と決めている

理由は④の存在だ

警備員として仕事をこなす義務があるのは確かだが、、、


この病院で警備をするのは二の次で

自身の命を最優先に考えないと、一瞬で命を絡め取られるからだ


だから、事前に罠を設置している

人を脅かして逃げるように仕向けるもの

これを活用して来訪者を今まで追い払ってきた


さて今日もちゃちゃっと追い払ってやるか


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