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6話 女子部屋➀

地獄の5日間はあっという間に終わり、今日は1月5日。

今日の朝9時から、冬野さんの家へ行く。


「あぁぁぁぁ!!!」


不安と焦りで、俺は朝から叫びっぱなし。

冬野さんと会うころには、声が出せなくなっていそうなぐらいの声量で叫び続ける。


一度、母親に注意を受けたが、それよりも焦りと不安の気持ちが勝った。

スマホで色々なことを調べ上げ、スマホのメモには受け答えの仕方などの、会話に必要なことをびっしり書き込んである。


人生初の女子部屋訪問、黒歴史を残したくないの一心で現在も準備を進めている。

今日の為に、服も買ってきた。しかも、とこが選んだ服。俺が選んだら、どうもダサいらしく、とこに選んでもらうことになった。


香水も、失敗しないよう、有名なブランドの香水を買った。

歯磨きは朝から15回以上し、準備は入念にしてある。


あとは、予定通りに9時に冬野さんの家に到着すればいいだけ。


持ち物の確認をし、俺は家を出た。

駅へ向かい、事前に調べておいた時刻の電車に乗った。


ここまでは、予定通り。

後は近くの冬野さんの家へ向かうだけ。


と、少し歩いたところに、マンションがあった。

住所を確かめてもここであっている。


「えぇぇ、、、」


目の前のマンションは、見た感じ25階建てぐらいのマンション。

新年ということもあってか、ロビーには立派な門松が大量に置いてあった。


【俺みたいな庶民が入ってはいけない場所】と俺は肌で感じた瞬間だった。

事前に聞いておいた、パスワードでオートロックのロビー前の扉を開く。


そして、ロビーを抜け、エレベーターへと向かう。

冬野さんの部屋番号は、2501。25階の部屋だった。


エレベーターへ乗り、25階行きのボタンを押す。

すると、エレベーターが動き出し、約30秒かけ25階へ上がった。


着くと目の前には、扉が1つしかなく、右を見ても、左を見ても、部屋は一つもない。

その部屋には2501と書いてあり、インターホンを鳴らした。


すると、中から冬野さんが出てきた。


「よく来れたね〜!大体の人は来れないんだけどね〜、入って入って!」


冬野さんの言われるがままに、家へと入った。

靴を脱ぐと、ルームシューズらしきものを渡され、廊下に敷いてある、レッドカーペットの上を歩いて、冬野さんの部屋へ向かう。


冬野さんの部屋の前には、木で作られた、吊り下げ式の看板が掛けられてあった。

そして、俺は人生初めての女子部屋に入った。


部屋全体が、水色と白で統一されていて、かなりおしゃれかつ、可愛い部屋だった。

部屋には、パソコンが置いてあり、それも白と水色のものだった。


pcファンが水色に光りながら回り、グラフィックボードも水色に輝いていた。

机にはモニターが3枚着いてあり、モニターの上にウェブカメラが付いてあった。


机の真ん中には、最新のタブレットが置いてあり、環境としては最高級なのかもしれない。


「映画でもみる?」


冬野さんがそう言ってきたので、俺はノリノリでその誘いに賛成した。

大画面のテレビにサブスクの配信サイトを開き、選択画面へと進む。


俺と冬野さんは同じソファに座り、横並びになる。

にしても、距離がすごく近い、冬野さんから凄くいい匂いがする。


冬野さんが映画選びに夢中になっている横で俺は緊張により、硬直していた。


「小崎くん、見たいのある?」

「俺は大丈夫れすっ!」


俺は緊張のあまり、声が裏返り、その後おかしな日本語を吐いてしまった。

『終わった』と内心絶望していたところ、冬野さんは俺の言葉を聞いて、優しく笑った。


「小崎くんって可愛いね」


冬野さんは顎に手を置き、俺の方を見ながらそう言ってきた。

反則級の笑顔とセリフ、両方俺の胸に刺さり、余計に緊張する。


その後、二人で有名な感動する映画を見た。

一度見たことはあったが、やはり名作というのは何度見ても感動する。


映画を見ながら、隣で冬野さんが声を上げて大号泣したところは、少し意外性があって、驚いたが、それに比例して可愛かった。

誰かと同じ映画を見て、感想を言い合って、同じもので涙を流す、これまでの俺には想像もつかなかったようなことをしている気がした。


部屋でいつも引きこもってオンラインゲームをしていた中学時代。

部活もせず、授業が終わった後、すぐに帰宅し、オンラインゲームばかりプレイしていたあの時に、言ってやりたい。


『将来、友達ができるよ』と。


そんなことを考えていたら、俺も映画とは別件で涙が出てきそうになった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜



あの後、何作か映画を見て、俺たちは感想を言い合っていた。

時刻を見ると、夜の11時。


「冬野さん、俺もう帰ります!」


俺が早々に部屋を出ようとした瞬間、俺の手首に人の手の感触がした。

振り向くと、下を俯いた冬野さんだった。


「きょ、今日、、、!親、居ないから、、、!」


冬野さんがそう言った後、俺は数秒間硬直した。


えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


一瞬にして顔が赤くなり、冬野さんの手を振り払おうとする。


「あと、電車もうないですし!」


確かに、言われてみればもう運航している電車はない。

だがしかし!!!!!それはダメだろ!!!!!


俺の心の中で葛藤が始まる。

『ちょっと考えさせてください』と言い俺は15分ほど葛藤した。


葛藤の末、出てきた結果は、、、。


「今日、一日よろしくお願いします」


泊まっていくことになった。

深夜テンションかわからないが、冬野さんが思いっきり俺に抱きついてくる。

いつもであれば、ここは笑顔で終わるところが、突然のスキンシップに体がビクッとした。


「今日は一日中一緒に居られるねっ!」


その冬野さんの言葉に、俺はあまり深く考えないでおいた。

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