表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/27

聖女疑惑


本日分です。

ずっと書きたかった分野なので書いててすごく楽しいです。




「……治った?」



部屋が光に包まれた後、ぽつりとナギの妹の口から、言葉が出る。


驚いたように上半身を起こして、私の方を見つめる。どうやら、本当に治ったらしい。


……よかった〜! 成功した〜!


ナギが駆け寄ってくる。


「ララ、治ったの!」


そのまま、ナギの妹さん…ララちゃんに飛びつく。

2人の目から、大粒の涙が零れ落ちる。


……よかったね。ナギ、ララ。


私がニコニコと笑いながら、数歩下がり見守っていると、泣き止んだナギララがこっちを見る。


「ねぇ、お姉ちゃん! ララみたいな人、この町たくさんいるの。治して、お願い!」


ナギが、祈るように私を見る。


「もちろん、みんな治します。ですから、患者達をみんなどこかに集めていただけますか?」

「……うん、ララがいく。元気になったララのこと見たら、みんな信用してくれると思うから。ララ、ここの人達と仲良しだもん。なーちゃん、この……」


「……ローゼリリー・コーデリアです」


「ローゼリリーさまを広場に連れてってくれない?」


ナギがララの言葉に頷いた。

なんというか、ララの方がお姉ちゃんっぽい。


「ローゼリリーさま、こっち!」



ローゼリリーさま。別いいけど、言いにくくない?


そんなことを考えながら、ナギに手を取られて、立ち上がろうとした、のだが。


その前に一つ思い出し、ララの手をに果物を握らせる。


「……おなか、すいてるでしょう? 全員分作れますから、食べてください」


ララは驚いた顔をした後、こくんと頷き食べ始める。


可愛い。ララもナギもすっごく可愛い。


この世界の人、顔が良すぎる。

昔から自分とカインの顔を見ていたためあまり思わなかったが、この世界、顔がいい人が多すぎる。


目に良さそう。





ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ーー*ー*





結構、多いな。広場に集まった、町の人たちを見てちょっとびっくりした。


……一人一人かけるの大変そう。これ、一気にかけらんないかな。


その人達を見ていて、その人達の目に、不審感がある事に気づいた。当たり前か。



……このままだと魔法かけにくいし、一応自己紹介はしておこう。


「みなさん、私は、貴方達に何かするつもりはありません。私の名前は、ローゼリリー・コーデリア。

この領の領主の娘です。今まで、あのゴミ畜しょっ、あぁ、ごめんなさい。あの父が申し訳ありません。

今からかける魔法は回復です。御安心を」


言いたいことを言い終えて、ゆっくりと手を空に向かってかざす。

これならみんな一斉に治せると思う。


『クーウェリーヴァ』


雪のように翠の光が舞い落ちる。


さて、どうなるかな。







『わあああああああっっっ!!!』


緊張していた私の耳に聞こえたのは、大歓声。


……うん、普通に治るね。


よかったよかったと笑っていると。


中央のあたりから、老人が歩いてくる。

そして、ふわりと跪く。


!?


「本当にありがとうございます、聖女様。私はこの町の長、リヴェガと申します」


聖女様⁉︎ はい? 聖女ではないんですが?


聖女は、エルマ様ですよ?


「い、いえ私はただの……ただの……その……」


これ、なんて名乗ればいいの? 私、今肩書きが特にないような。


「……ただの。ただのローゼリリーです!」


咄嗟に出たのは、普通に名前。





☆★☆





「クーウェリーヴァ」


ぽんぽん! と可愛らしい音がして、上から果物がたくさん落ちてくる。


「はい、どうぞ」


……私は今、配給をしてる。子供が多いな。可愛い。

全員痩せている。


栄養をたくさん取らせなければ!


ということでの配給。

ちなみに聖女云々は、伝わらなかった。

私は、この人たちの中で今、聖女になっているんだろうな。リリたんは見た目が天使だから。





「ふぁ〜、疲れた!」


本当に。ベットに倒れ込むと、息をつく。


さらさらの翠の髪はそこまでのお手入れはしていないのに、すごく綺麗だ。


……恐るべし、リリたんの天使力!


そしてあの町だが、やはり貧民街のようなものらしい。シャーリア街というらしく、外れもの……捨てられた子供に追放された犯罪者。その他、訳ありの人間が集まっているんだそう。


悪い人はいないみたいなので、また、近いうちに行こうと思う。


そして。明日あたりに闇魔法の研究をしたい。


闇魔法って、悪役か! 外見天使なのに!


んん、そろそろ眠い。ふぁ。



「……カインは今何やってるのかなぁ」




最後まで読んでいただきありがとうございます!

ブクマ、評価よろしくお願いします!


死神病について

死神病は、緑魔法ですぐ治るため大した病気ではないと言われていますが、死亡率92%の病です。魔法科学があまり発展していなかった昔はほとんどの場合死んでしまったため、死神病と言われています。シャーリア街には回復を使える人がいなかったため、このままでは街のほとんどの人が死んでいました。ゲームのローゼリリーは、シャーリア街の人々の病気についてしばらく経って知ったため、ゲームでローゼリリーが助けられたのは、一部のみです。ローゼリリーが死んだとき、シャーリア街の人々も魔獣に殺され、ほとんどの人が死にました。唯一の生き残り、ナギとララはその後行方不明になり、そのまま見つかりませんでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ