再会〜従者キース〜
思わぬゲームキャラとの出会いに一瞬固まったがすぐさま思い出した。彼と私の今の関係を。
「……ローゼリリーお嬢様ってなに?」
彼は、勇者の従者。
キース。元奴隷の少年だ。
「は? 君の名前、ローゼリリーだろ? 自分の名前忘れるほど馬鹿なの? 主、とうとうボケた?」
イラッと来たが、なんとか堪える。
この言葉で分かる通り、彼の主は、私である。
奴隷商から母が買い取り、母が亡くなってからは、私が彼の主として登録されている。
ゲームの中では、こんな設定ではなかったはずだ。
奴隷として生きていたのを勇者パーティーに拾われて……いや、もう私が変えちゃったし関係ないけど。
「……でさ、主? いつになったら迎えに来てくれるわけ? もう主がいなくなって一年も経ってるよ?」
……距離近いなこいつ。
こっちのキースは、原作と違い、カインとめちゃくちゃ仲が悪い。
そんなカインに預けられるのは、キースにとってはなかなかストレスのようだ。
「……来てもいいけど、シャーリア」
「 は? 」
そう呟くと、キースが目を見開く。予想外、って顔だ。
「行きたいんでしょ? 」
「行きたいけどさ……いや、そんなあっさり……僕の今までの葛藤はなんなんだ……!」
どんどんと地面に頭を叩きつけるキースに後ろにいるリーが笑いを漏らす。
「……で、俺らはどうすればいいの?」
リーの声にキースは少し落ち着いたらしい。
「あ、うん、えっとーレクイム伯爵閣下? だっけ。君とカインが話したいらしいからー先に部屋に、シキが、案内するね」
お前は案内しないのかよ!
というツッコミは置いとこう。
シキと呼ばれた青年は、呆れたような顔をしてから、ぺこりと頭を下げた。
「おい、キース……。
申し訳ございません、レクイム伯爵閣下」
キースの頭を軽く引っ叩いて、リーの先を歩こうとしていたシキが玄関のドアを閉める直前こっちを向いてふわっと笑った。
「 ……ローゼリリー様、貴女がご無事で良かったです
」
「シキ……」
なんで原作のカインはシキを連れて行かなかったのか。いい人すぎる。
「ーー主っ! ちょっとお話ね!」
口を尖らせたキースに手を引かれ、私も久々にラシー邸へと足を踏み入れた。




