先生とお兄様
すみません、間違えて愛されなかった少女は〜の方に投稿してました。
「……ローゼ様、幼馴染くんのところ行かなくていいの?」
夜会の途中でスピィが抜けたので、私も抜けて、アベル兄様と、出口に向かっていると、リーがトントン、と肩を叩いてきた。
「……レクイム伯爵。妹とどんな関係だ?」
カインのことが完全に頭から抜けていた私が、リーと話していると、アベル兄様がじっとリーを見つめた。
「あー、俺は……」
「リーは、先生ですよ! お兄様。凄いんですから!」
リーを遮り、そういうとお兄様が頬を緩めた。
「ローゼリリー。シャーリアにいるそうだな……王都に帰る……俺達と暮らす気はないか?」
「すみませんが、シャーリアの生活は楽しいので問題なしです!」
元気よく答えると、お兄様は、少し残念そうに頷いた。
「……そうか。ならいい。
ところでローゼリリー。どうやって来たんだ?」
「……秘密!」
「……」
「ローゼ様がこう言ってるから……」
闇属性の事は、秘密にしておこう。見た目と合わないから。
「そうか……まぁ、いい。
ローゼリリー。カインとの話が終わったら……」
「家には一時的にでも、帰りたくないです……」
「……だろうな」
「……」
家に帰ってこいといいかけたのであろうお兄様にそういうと、お兄様が頭を抱えた。
……生まれたの、たった数十分差なのに、お兄様のこの苦労人な雰囲気はなんなのだろうか。
「ローゼ様、俺の隠れ家の部屋なら貸すよ?」
「よろしくお願いします……」
「いや、でも……流石に……」
リーの申し出にお兄様が困ったような顔をする。
「俺は今日は用があるから家にいないし、守りの魔術かけてあるから、絶対安全だと思うよ?」
「すまない、レクイム伯爵……この借りは必ず返す」
申し訳なさそうなお兄様に、ごめんなさい……私、この人に借り作りまくってます、とはとても言えなかった。
アベルがリーデルに敬語を使わないのは、この世界は年齢関係なく身分が大事だからです。




