環境改善
2話目です。
前世の記憶を思い出して、2日。
幸せになる為にしなければならない事があると気付いた。
そう、それは。環境改善!
……いや、ほんとにね、リリたん12歳までよく生きてたねって言いたくなるレベルで環境が悪いの。
まず、同居人の侍女。
かなり、私の事を嫌っている。
そのせいか、食事には庶民以下のものしか出てこない。 草とか。
続いて、衛生面。
風呂はもちろん私1人で入れる。
でもね、部屋の掃除がね……。
私も出来るところはやってるんだよ?
でも、その、ね? 子供1人じゃ無理。
そして、侍女なんだけどさ、1日前から帰って来ないんだよね。知ってたけど。
いや、消えるって本屋敷に帰るって意味だったんだね。しかもこんなに早いとは。
リリたん、よく生きてたね。公爵令嬢が1人で生活とは。
私、前世は女子高生だったんだよね。
一人暮らしか。出来ないこともないだろうけど。
うーん。リリたん、これ魔獣に襲われたら、すぐ死ぬのは当たり前だよね。力がなさすぎ。
でもね。魔法は使える。父には、言ってないけど。
緑魔法と、闇魔法。
……闇魔法。
あれ?
ゲームのリリたんってこんな魔法使えたっけ。
分かんないな。私、全クリしたんだけど。リリたんの情報って少なくって。
ファンブックには、魔法が使える、としか書かれてなかったような。
まあ、いいや。せっかくある力だし、有効活用しよう。
緑魔法で、果物とか出せるかな?
前世の記憶思い出すまで魔法について、気にしたことなかったんだよね。
そんな事より生きていく事に必死だった。
とりあえず、町に降りよっかな。
ここは、公爵領の辺境の方だ。つまり、この町は父親が治めている。
……ロクな事になってなさそう。
行こうと思い動き始めたものの、物凄くお腹が空いている。
行く前に何か食べた方がいいかな。
食糧庫を見たものの、あるのは小麦粉と卵と牛乳くらい。砂糖もある。
食糧あるのかよ!
これ侍女が食べてたのかな。
……ホットケーキが作れそうだな。
よし、とりあえず、腹拵えをしよう。
材料を適当に量って混ぜる。
量るのは多分、この世界にホットケーキがないから。お母様がいる時も食べた事ない。うまく出来た時、再現できるようにしておきたい。
ジュワッ!
わあ、うまく出来たかも知れない。
焼き上がったホットケーキを皿に乗せる。
そして、前もって作っておいたクリームをのせる。
めちゃくちゃ美味しそう。
でも、ちょっと色味が寂しいかな。緑魔法、使って果物出してみよっかな。
「クーウェリーヴァ」
自分だけの呪文を唱えると、何もないところから、リンゴがポンッ! と音を立てて、宙から出てくる。
リンゴ? この世界にあったんだ。
ってか魔法使えたね。
リリたんこれで生き延びてたのかな?
それはともかくとして、リンゴを切ってのせる。
美味しそう。
「……いただきます」
美味しい。なんというか、記憶思い出してからなかったまともな食事にちょっと感動した。
「ごちそう様でした」
完食しました。
……よし、腹拵えしたし、町に向かおう!
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