再会〜勇者カイン〜
「ロゼ……」
どこか呆然としたように、私の名前を呼ぶカインに思わず笑みが浮かぶ。
「……俺の事はいいから、知り合いなら、いっておいで」
リーに背中を押され、私はカインのもとに駆け寄った。
久しぶりにーーー記憶を取り戻しては初めてーーーだが、緊張はしなかった。長年、一緒にいた幼馴染は変わってない。
「久しぶり、カイン」
ニッコリと笑ってそういうと、カインも困ったように笑った。
「久しぶり……シャーリアの聖女様」
「ふぇぁ⁉︎」
シャーリアの聖女様……。
なんで知ってるの……!
「おぉ、やはりコーデリア嬢が聖女様だったか」
「貧民街を救うなんて、流石天使ですわね……」
「……シャーリアを救うなんて……流石天使令嬢……」
天使令嬢ってなに⁉︎
なんで、広まってるの⁉︎
普通に考えて噂が1ヶ月で届く距離じゃ……。
周りの貴族のみなさまからの声に、ぽかんとしていると、カインがふと私の後ろを見つめる。
「あの人、知り合い……?」
リー。
彼は、ちょっと離れたところでニコニコと笑っていた。
……カインに紹介しないと、か。
「うん、知り合いなの。リー」
手招きすると、彼はニコニコしたまま私の隣に来た。
「あのね、私の先生! リーデルって名前だよ」
カインだし、こんな紹介でいいだろう。
「どうも、カイン様」
ぺこりとリーが、頭を下げた。
「リーデルさん……ロゼ、またあとでうちの屋敷へおいで」
一瞬無表情になったカインは、にこりと私に微笑みかけ、周りに聞こえないよう、そう囁くと頭を下げて私のそばから離れていった。
「……あの子、俺の同業者だったりしないよね?」
「 ? なんか言いました?リー?」
何故か、顔色が悪いリーを覗き込んでいると、彼は苦笑いを浮かべ、向こうを周りにバレないよう、指差した。
そっちを見ると。
「 ! アベル兄様」




