死神先生は用意周到
本日、二話目です。
「招待状か〜、どうするの?」
話を聞いてもらいながら、私の頭の中は困惑でいっぱいだった。
え? なんでいるの? いや、え?
気付いたら、隣に居たんだよね、リー。
「いや、なんでここに?」
「んー可愛い教え子が困ってるみたいだから」
猫のようにニコニコと笑うリーは、年相応感がある。
リーって12歳の頃から暗殺者やってたせいか、大人びてるんだよね。
今の年齢なら、前世の私より年下なのに。
年上感しかないんだよな。
「リー、助けてくれるんですか?」
「うん、君が困ってるなら絶対に、助けてあげる。 ま、今回の場合は、行くなら、ついて行ってあげるよ?」
私のおずおずとした質問に、リーが微笑んだ。
絶対に助けてあげる。大袈裟だけど、ちょっと嬉しい。
「……行った方がいいんでしょうが……」
服もなにもないしな。
どうしたものか。
というか私、9歳なんだよ?
「ドレスなら、あるよ? 暗器仕込めるようにしたやつが」
多分、君のサイズピッタリ〜と笑うリーに、若干の恐怖を覚える。ありがたいけど。
行くの確定か。
「暗器……」
「必要でしょ? ちなみに、いつなのさ?」
いつか。これが一番の問題。
「明後日」
困ったように言ってみると、リーが顔を歪める。
うん、行けるはずないもんね。行けなかったら、行けなかったで文句言うつもりだよね。
意地が悪いよね。
「瞬間移動で行ける?」
「王都だから、直接は……」
王都には、魔法を使ったらその魔法が何か記録される魔術具がある。闇魔法を使うのは危険だ。
「ねぇ、カーシャまで瞬間移動出来る?
後は、歩き&走りで」
行けるけど。リーには、呼吸の仕方も教えてくれたし。
こくんと頷くと、リーが立ち上がった。
「はい、じゃ、俺出てるから。お風呂入って、これ着といて」
渡されたのは、黒いシャツに黒いミニスカート……に見える、ズボン。ベルト。
そして黒ローブ。
「着替え終わったら、すぐ行くよ。完璧に準備して、外に出て。ドレスは明後日渡す。道具類は、ここね」
ありがたい。が。暗器を直接テーブルに置くのはやめてほしい。
☆★☆
風呂上がりのやたら、殺傷能力の高い天使を鏡で見ながら、包帯などをベルトについているバックに突っ込む。ナイフや銃も。弓矢は魔石で作れる。だから、弓と魔石を数個放り込む。
わぉ、暗殺者リリたんやば、尊死不可避。マジ堕天使。
全部が可愛い。若干湿った翠の髪を軽く拭いて鍵を閉め招待状を持ち、外に出る。
「来たね、ローゼ……」
「どうしました、リー?」
突然固まったリーに驚いていると、私を凝視してくる彼に、似合ってないはずは……と服装をチェックする。
「う……なんでもないよ」
「本当?」
不安になり覗き込むと、リーはこくこくと頷き、目をそらす。
??
「よし、瞬間移動お願い、ローゼ様?」
「様って……」
「護衛だからね。とにかく、早く」
どこか、嬉しそうな笑みを浮かべたリーに急かされ、私は呪文を唱えた。
『クーウェリーヴァ』
次回は、移動回です。




