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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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綾香からの挑戦状


「それで紅に一つお願いあるんだけどいいかな?」

「はい」

「今から軽く手合わせしない。とは言ってもそっちもイベントに合わせて本気は見せたくないだろうしHPゲージが半分になったら勝負が決まるって言うやり方でどうかな?」


「……なるほど」

 蓮見としては悪くない条件だった。

 まさか自分より強い相手から勝負を持ち掛けられる事になるとは思っても見なかったからだ。あの機械少女のように強くなるには綾香は最高の相手だった。それにHPが半分と言う事は火事場のスキルも全力で発動する事はない。ちょっと物足りないが手の内を隠すと言う意味でも問題はなかった。


「紅はイベントとか順位にそこまで興味がなさそうだけど、これでも私第一回イベントと第二回イベントでは第三位なんだよね。里美意外のトッププレイヤーとの戦闘経験はそっちにとっても悪い物ではないと思うんだけどどう?」

 蓮見以上に綾香は勝ち負けより、とにかく手合わせをしてみたかったのだ。

 美紀だけでなく実力では蓮見より強い七瀬までも仲間に入れた【深紅の美】ギルドは綾香の好奇心を刺激していた。特にその中でもイレギュラー的な存在感を持つ蓮見には興味しかなかった。


「先に一つ聞いていいですか?」

「うん。いいよ」

「綾香さんはどうして俺なんかに勝負を? 普通に考えて俺より里美やミズナさんの方が強いですし他にも沢山強い方はいると思うんですんが?」

「あぁ~それ。それは簡単だよ。確かに実力では里美やミズナの方が強い。だけど二人共紅をリーダーとして認めてる。だからよ。自分より弱いかも知れない人の下に普通は皆付かない。勿論、リアルで友達だとか、信頼関係があれば別だけどね」


 あっ、それありますとは言えるはずもなく、苦笑いで誤魔化す事にした。

 今、口を滑らせれば、ログアウトした時に美紀の鉄拳制裁を蓮見が受ける気しかしなかった。それだけは絶対に阻止しなければならない。


「そうでしたか。ではいいですよ、勝負」


 蓮見と綾香は街にある闘技場へと向かう。

 そしてその後ろを沢山のプレイヤーが後を付いてくる。

 この時、提示板は過去最速の速度で更新されていた。


 見出しは『【神眼の天災】VS綾香の決闘』。

 それはギルドイベントの受付を早々に終わらせた美紀達の耳にも入る。


 その時、三人の思考が同じ事を考える。


 紅を一人にしてしまった。と。


「エリカ、ミズナ急ぐわよ!」


「そうね!」


「うん!」


 三人は全力で闘技場に向かう。


 蓮見が大きなアクビをしながら、戦う準備を終えて控室を出ると、ちょうど美紀達が走ってやってきた。

「ちょっと何やってるのよ?」

「何か凄い事になってるけど?」

「一体何がどうなってるのよ?」


 美紀、エリカ、ミズナはそれぞれ思った事を口にしたが、言ってきた内容としてはどれも同じだった。


「これ? なんか決闘しようって言われたから受けたらこうなった。まぁタダで負けるつもりはないから安心してくれ」

 笑顔で答える蓮見。

 そしてようやく蓮見の頭がワクワクを求めて仕事を始める。

 強い相手とこうして戦える。

 蓮見にとっては今後の成長なにより数少ない対人戦闘経験でもあるのだ。


 そのまま三人に手を振って闘技場に向かって歩いて行く。


「あの感じ、気のせいよね?」

 美紀は隣にいるエリカと七瀬に念の為に確認する。


「……多分だけど、あの感じ紅君何かするわね」

 エリカが美紀の言葉を否定する。


「私もそう思う。ないとは思うけどもしかしたら綾香が負けるかもしれない」

 七瀬が美紀を見ながら、諭す。


 三人は苦笑いをしながら、蓮見の後ろをついていき、二人の試合を静かに見守る事にした。この際負けてもいいから、変な事はしないで欲しいと思う三人であった。

 これ以上蓮見が強くなったら誰がどう制御すればいいのかがわからなくなるからだ。


 普段無人に近い闘技場に集まった沢山のプレイヤー達。

 本来は戦闘の練習をする為の場所で、あまり人気がないのだが、今だけは違った。

 その証拠によく見れば第一回イベントの上位三十人も全員がこの闘技場に集まっていた。


 蓮見と綾香が武器を手に持ち向き合う。

 綾香は両手に短剣を持っており、双剣使いである。

 防具は全体的に軽装と動きやすさに重点を置いているように見えた。


「一応ルールはさっき話した通りだけど問題はないかな?」


「はい」


「スキルとアイテムはどうする?」


「え? 俺が決めていいんですか?」


「うん。私からお願いしてるんだから紅が決めて」


「なら有りでお願いします」


「わかった」


 気持ちが昂り、微笑む二人。

 すると、上空にカウントダウンの数字が出現する。

 それと同時に二人のHPゲージとMPゲージも空中に出現する。

 どうやら観客にも見えるようになっているらしい。


 戦闘準備態勢となり自動発動のスキルが発動する。

 金色と銀色の剣はどうやら破壊不能で見たところ防具もテクニカルヒットで壊す事が出来ないとわかった。やはりトッププレイヤー装備品も一級品である。



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