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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
新章 新しい神災伝説の爆誕だZE☆彡

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第18話 進行するイベント戦闘スキル収集


 ――イベント四日目。


「行くぜ! 俺様全力シリーズ全力でダッシュ!!」


「ぅぅぅ!?」


「――からの俺様全力シリーズ全力ハグ攻撃!」


 ドスンッ!!!

 地面が揺れる勢いで逃げる宝箱モンスターミミックに上から覆い被さり巨体をもって押しつぶす(抱きつく)神災竜。

 ミミック捕獲がスキル習得の条件なのが、捕まえるを超えた圧迫死を無邪気な笑みでお見舞いする紅はいつも通りハイテンションだった。


「……スキルゲットしたみたいね」


「……うん」


「……止めた方が良いかな?」


「まだ三十四人しか巻き込まれてないし、このまま放置でいいでしょ」


「それもそうね」


 少し離れた所から双眼鏡で紅を見守る里美とエリカはペットを自由に遊ばせて見守っていた。


「ゲットしたスキルは二人に任せるとして」


 ニヤリと口角を上げ、テンションアゲアゲの紅はスキルゲットに応じて出現したウインドウを無視して大きな羽を広げ飛び立つ。


「俺様は俺様の任務を全うするぜ! ってことで俺様全力シリーズアイ・ラブ・ユーアタック!」


 そのまま五百メートルの位置から自由落下を始めた紅は周囲に居たプレイヤー達に向かって落ちていく。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「に、にげろぉぉぉぉぉぉ」


「なんでこっちに来るんだぁぁぁぁ」


「今はプレイヤーkillはないはずなのに!」


「誰か俺様の愛を受け止めてくれ! カモンーカモン~カモン!」


「む、無理よ、そんなに大きな愛(物理)なんて!」


「いやぁぁぁぁ来ないでぇ」


 語るまでもない。

 とにかく遊び回りたい紅にとってそれがモンスターであろうとプレイヤーであろうと物であろうと構ってくれるのなら関係ないのだ。

 まだイベント四日目のためプレイヤーへはダメージが与えられないルールが悪く働き押しつぶされたプレイヤーは普段なら圧迫死する所を神災竜の巨体で生身の身体を押しつぶされる感覚だけが与えられる罰ゲームが強制執行される。


「おっ!? あそこに空飛ぶバルーン発見♪ GOーGOー俺様ぁGOoooo!」


 すぐに目移りした紅は風船の中に隠されたスキルを手に入れるため、押しつぶした七人のプレイヤーに詫びも居れずに走り始めた。

 荒野に設置された大きな岩を神災竜の巨体をもって担ぎ風船に向かって投げつける。

 だが百メートル先を飛ぶ風船には中々当たらない。

 よく見れば風船の周囲に乱気流があり、プレイヤーからの遠距離攻撃による狙撃を妨害しているからだ。


「それだったらアレだな!」


 最早周りの目を一切に気にしない紅は自分の世界へ入っていく。


「一番ファースト紅君。大木を抜き、バットを手にして構えバッターボックスに立ち一球目打ったぁ!」


 尻尾を使い近くのボール(小岩)を広い手に持った大木で打った。

 大木が空気を切り裂く音を鳴らし、周囲に衝撃波を振りまいた。

 衝撃波は近くにいた女性プレイヤーのスカートをまくり上げ、それを見逃さない紅の動体視力は冴えており、その映像を脳内に記録する。


 ブンッ、ブンッ、ブゥン~~~♪


 同時に紅エンジンの調子がさらに良くなった。


「金髪美女プレイヤーさんの黒パンTバック……悪くない。へへっ。っしゃぁ、二番イケメンさわやか男子紅様一球目見送り、二球目捉えたぁ!!!」


 一回空振りしたことはなしにして乱気流の中を泳ぐ風船に対して二発目の攻撃。

 しかしこれも外れる。

 それならと少し小細工した岩を尻尾で掴み、


「三番昨日里美とエリカさんの抱き枕にされて柔らかい果実を身体に押し当てられてムフフを沢山堪能したせいで興奮のあまり一睡も出来なかったモテモテ男紅様ぁ。どさくさに紛れてツンツンして見ると程よい弾力でいつか鷲掴みにしてもみもみしたいと思った紳士の紅様が大きくバットを振り被って」


 本人たちが遠くにいるおかげで制裁を免れた男は叫ぶ。

 最早欲望をさらけ出すことに躊躇いはなくなっている。

 後はこれが完全に開花するのを待つだけである。


 ――ブンッ!


 ――ブンッ!


「……あれ、」


 ――ブンッ!


 ――ブンッ!


 ――ブンッッ!


「打ったぁああああああああ!」


 NGシーンを四回ほど挟んだものの、紅のテンションに変わりはなく何事もなくことは進められる。

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