鍛冶屋
道行く人に鍛冶屋までの道のりを聞き、何とか到着。
早速中に入る。
カランカラーン
中に入ると青いロングヘアーの女性が椅子に座って本を読んでいた。
「あら、いらっしゃい。ん~初心者さんの武器と防具は扱ってないわけではないけど少し高いと思うけど……大丈夫? それとも下見かな? まぁゆっくりしていってね」
「いえちょっとご相談がありまして」
「うん? どうしたの?」
そう言って店主の女性が椅子から立ち上がりこちらに来る。
そのまま蓮見の前に来て笑みを向けてくれる。
「いいわよ。お話し聞いてあげるわ」
「これで防具が欲しいのですがそこそこいいのいけますか?」
そのままステータス画面にあるゴールドを見せる蓮見。
「えっと……どれどれ。んっ」
髪を上げながらステータス画面をのぞき込んでいた女性の動きがピタっと止まる。
「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん……えっ?」
そして、鍛冶屋の小屋で女性の驚き声が木霊する。
「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
思わず両耳を塞ぐ蓮見。
今度は目を大きく見開いて蓮見の顔を見る女性。
「えっ……うそ……貴方がさっき宝くじ売り場で一等を当てたプレイヤーなの!?」
信じられないものでも見るかのように驚く女性。
「はい」
どうやら僅か数分でさっき奇跡的に1等を当てた噂は広まっているようだった。
まぁ減る物でもないので特に気にしない蓮見。
この鍛冶屋の女性が悪い人だったらどうするつもりだったのだろうか……。
「それで可能ですか?」
大きい胸に手を当て深呼吸をする女性を見て蓮見は質問をした。
「えぇ……100万ゴールドあればトッププレイヤー達と同じレベルの装備になるから全部オーダーメイドになるわ。この手の装備は壊れても自動で修復されるから耐久値とか気にしなくて良くなるけどどうする? 性能が落ちてもいいなら80万ゴールドでもできるけど?」
「なら100万ゴールドでお願いします。元々装備強化の為にと思って買った宝くじでしたので」
即決する蓮見を見て、頷く女性。
「わかったわ。なら貴方の情報を頂戴。全てそれに合わせるのと色のベースは何色がいいかしら?」
「赤でお願いします」
「赤ね。ちなみに武器と防具はどういった能力にステータスを振って欲しいとかはある?」
「それは一つまでですか?」
「別に幾つでもいいけどその分均等に割り当てるから特化型にはならないわよ」
「ならDEXとCRIに半分ずつお願いします」
「わかったわ。確認だけど武器は弓で間違いないわね?」
「はい」
何やら蓮見の話しを聞きながらパネルを操作する女性。
見ても意味が分からない蓮見はしばらくその場で大人しく待つことにした。
しばらくすると、女性がこちらに視線を向ける。
「とりあえず今から生産に入るから少し時間を頂戴。それと私の名前はエリカよ。これからよろしくね」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
「良し、ならフレンド登録しましょう。武器と防具が出来たらフレンドメッセージで伝えるわ」
「わかりました」
早速フレンド登録を行う。
フレンドリストに初めて名前が登録される。
親しい仲というわけではないが蓮見は初めて出来たフレンドに喜びを覚えた。
「ちなみにお時間はどれくらいですか?」
「急げば1時間ぐらいかな?」
「ならやっぱりここにいます。どうせ行くところもないので」
「別にいいけど何をする……あぁ~武器を見たいのね。そういう事なら全然いいわよ」
蓮見の視線の先にある物を見て何処か嬉しそうに笑みを向けてくれるエリカ。
そのままエリカは小屋の奥の方に行ってしまった。
エリカが言った一時間程度、蓮見は小屋に飾ってある沢山の武器と防具を見てそれぞれの武器と防具の特性等を勉強する。