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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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Yokoku???


 この時、蓮見が珍しく頭を使う。

 これは《《なにかの前触れ》》なのかもしれない。


「考えろよ、俺様。どうやったらこのあと――」


 普段頭を使わない人間が何かを熱心に考えている姿はある意味凄い光景なのかもしれない。

 そこに裏がなければ。


「――モミモミするには……じゃなくて俺様が大活躍する方法を」


 杞憂だった。

 煩悩に支配された男は既に勝った後のことしか考えていない。

 メールの胸を堪能すれば周りの者たちがどういった反応を示すかなど容易に想像が付くだろうに。純粋な怒りであれば時が経てば解決してくれるだろうが、そこに恋が絡めば簡単には解決してくれないし、厄介な問題が起きやすいというわけだ。

 それにも気付かないぐらいに蓮見の脳は煩悩だらけとも言える。

 ただし煩悩が【悪】と言うにはこの場においては笑止。

 煩悩があったからこそ今の蓮見があることを閃いたのだ。


「ん? よくよく周りを見れば間欠泉があるってことは(熱)水は沢山あるよな……ってことは……つまり……えぇっと……」


 ――なぁ、メール?


『なぁ~に、えっちなお兄ちゃん』


 ――あの約束ってマジ?


『も・ち・ろ・ん♡』

(まだ命が掛かってることに気付いてないのかな???)


 ブンブン。

 首を横に振って目の前の状況について思考を巡らせる。


 ――……じゃなくて、間欠泉の活動ってずっと続くの?


『続かないよ? 効果時間的にもう少ししたら消えると思うよ。それと死体ちゃんたちはお兄ちゃんが倒したプレイヤー以上には増えないからそろそろこっちも限界かな?』


 ――了解。


 なるほど。

 と、蓮見が一人納得する。

 煩悩から生まれる秘策にこの後の展開を任せるつもりの男は一見不真面目なように見えて本能にどこまでも忠実である意味いつも通りの平常運転である。


 先ほどまで干からびて乾いた大地が沢山の水で潤いを得ている。


 ただの水ではなく間欠泉が溢れでる(熱)水で、と言うのがポイントで、蓮見が目をつけた。


 炎を越えた熱量を持った物体をもし操ることができたら、

 俺様超カッコ良いだけじゃなくてハーレムもあり得る!!!

 と、妄想を膨らませた蓮見はソレをどうすれば手に入れられるかを考える。


 蓮見が煩悩と妄想の狭間で状況を把握していく。

 周りは既に浅瀬の海のようになっているが(熱)水から逃れるようにして多くのプレイヤーが空へ逃げて戦闘を行っている。

 だけど蓮見が目をつけたのはその下。


「俺の残りのアイテムからしても次が最後か」


 アイテムウインドウを見ながら残数の確認をする。

 残念ながらエリカによる補給はこの戦況では距離があるため厳しいと判断する。

 そうなると、手持ちでなんとかしないといけない蓮見はここにきてスキルもそんなに残っていないことを痛感する。


「さて、どうしたものか」


 悩み蓮見。

 それを見た三人は。


「今のうちにこちらから行くか?」


「止めたほうが無難だろう」


「ルフランの言うとおりだ。アイツのアレが私たちを誘う演技かもしれない」


「一理あるな」


 かつての行いから蓮見の行動全てに敏感になっていた。

 そして各々が心の中で考える。


(だいぶ消耗させられたな。次の一手で仕留めなければコイツら二人を倒す余力がなくなるのか、、、)


 今は仲間であってもそれはあくまでも一時的なもの。だからこそ、その先をどうしても考える。それが結果的に蓮見に考える時間を与えているとは気付かずに。


 両者の動きが止まり数分が経過した。

 いつ再び激しくぶつかり合うのか、それはどのタイミングを持ってしてなのか、周りがそう思い始めた時だった。


「よっしゃー!!!」


 蓮見の声が戦場に響きわたる。


「今から皆に見せてやるぜ。華麗なる俺様の舞をなあああああああああ!」


 言葉が終わると同時に蓮見が動く。


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