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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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異次元と神炎が融合する時神紅の炎が誕生!?


 世界とは時に残酷で人の常識では計り知れない何かを生み出し人に試練を与えることがある。例えば自然災害。人の力では未然に防ぐことも対処することもできない。いつどこで起きても不思議ではない現象。

 それは現実――リアルの世界でのお話。

 例えばそれが現実≠リアルの世界となった場合どういう方程式が成り立つだろうか。

 例えばそれは――自然災害が神災となりリアルの世界がゲームの世界に置き替えられたら一体どうなるだろうか。


 禍を転じて福と為す、そんな言葉は蓮見の辞書には存在しない。


 神秘の炎が蓮見に炎熱地獄となり降り注ぐ瞬間――蓮見の身体に変化が起きる。


 神々しく燃える炎はとても純度が高く直視すれば目が焼け焦げてしまうほどに綺麗なオレンジ色の炎だった。

 それは吐かれた炎に限らずリュークの召喚獣である朱雀の全身を覆う巨大な炎の塊も同様。全ての耐性を貫通しダメージを与える神秘の炎は正に【神炎の神災者】が使う炎より純度が高く破壊的な炎なのは間違いない。だが蓮見は【神炎の神災者】とは別に【異次元の神災者】と言う異名も持っている。神炎が神が扱う炎とするなら異次元とは人の領域を超えた域にいることを示すのではないだろうか。それらはどちらも災いの象徴。【神炎の神災者】と【異次元の神災者】どちらも同じ者を示す言葉なら一つにまとめた方が呼ぶ方としては楽ではないか?


 第五回イベント終了後からある神災者はこう呼ばれるようになる名は【神紅の神炎者】。


 【神炎の神災者】と【異次元の神災者】が合わさった正に”最恐”の名。


 そしてそのきっかけとなったのが――。


「燃えろぉ!!!! 俺のコスモぉーーーーーーー!!!」 


 神災モードのオーラを纏った全身から水色のオーラとは別に深紅色の炎が全身に纏わり付いた。


「えっ!? 紅!? 大丈夫なの!?」


 心配する美紀の声に反応するようにして。


「俺は俺の限界を今ここで超える! そっちが朱雀の力を借りるなら俺はメールの力を借りるぜぇ! スキル『ミラースキル』! そしてこれが俺の正真正銘最後の姿だ! スキル『女王怒りの大海』!」


 深紅の炎を纏った両翼が神秘の炎の一撃を受け止め――違う。

 神秘の炎を吸収した蓮見の全身から溢れ出る炎が一段と大きくなった。

 相手のスキルを一度だけ無力化し無力化したスキルに応じて自身のMPを回復する。その後渇いた大地が女王の怒りの影響を受けフィールド全体が間欠泉となり水蒸気や熱水を噴出するようになる。

 朱雀が魔法陣の力を得て強くなったように一部の召喚獣は特定条件をクリアすることで真価を発揮するものもいる。それはメールも同じである。好感度MAXのメールは海の女王の加護を受けておりいつでも一定範囲内のフィールドを海フィールドにしたり水や熱水を齎すことができる。正に王に恥じぬ力を持っていた。そしてもう一つ。海の女王を護衛する者をいつでも呼べるスキルも有しておりその力は絶大。正に神殺しの礼装シリーズの逆Verも実は存在していた。神が神殺しの礼装シリーズを生み出すなら神の中の神はその逆(メール)を生み出したと言うわけだ。


「まさか本当に化物になるつもりか!?」


 驚いたリュークは叫ぶ。


「スイレン来い! 里美だ! 里美を最優先で倒せ! ここでコイツと里美を倒して全てを終わらせる!」


 さらに出る杭は打たれる。


「葉子! 里美だ! 里美を狙え! アイツはまだ死んでない! 朱音さんを倒せない以上ここで二人を倒して【深紅の美】を完全に再起不能にするんだ!」


 二人のギルド長の言葉に「了解!」「了解しました!」と返事をして二人が本気でぶつかり合っている美紀と綾香が戦うフィールドに合流する。

 二人の力の差は殆どなく拮抗していた。


 そして神秘の炎を両翼で吸収しMPを全回復した深紅の炎と水色のオーラを纏いし神災狐を囲むようにしてリューク、ソフィ、ルフランの三人がいる。


「ルフランからと思っていたが……仕方ない」


「やっぱりお前を無視しておくわけにはいかないようだ」


 合流してきたソフィとルフランに蓮見の全身がビクッと震えた。

 だけどビビったからではない。

 視界の隅で自分と同じように囲まれた美紀が死ぬほど楽しそうに笑いながら戦っていたからだ。目は本気。気付けばこっちをもう見ていない。目の前の敵に全神経を集中させてこのゲームで初めて見る全力を出して戦っている。それは過去に美紀が賞金がかかった大会でのみ見せていた正真正銘の本気。そんな鬼神の如き少女をチラッと見た蓮見は心の中で思った。


 へへっ。絶体絶命になっても起死回生の一撃を決めれば勝てる。

 だったらこの逆境楽しむしかねぇよな~ああああああ!!!


 と。

 そしてもう一つの魂がニヤッと微笑み囁く。


『えへへ。いいね。この状況で笑ってるお兄ちゃん好きかも。だからお兄ちゃんのMP全部頂くね。変わりにお兄ちゃんを女王の旦那さんにしてあげる♪ 私に愚かにも刃を向けた者たちが今度は私とお兄ちゃんのために戦ってくれるよ』


 心の中で悪魔の囁きのようにミルクティーに蜂蜜を沢山いれたように甘い言葉。


『さぁ、同じように言ってみて。スキル――』


 同じようにその言葉を繰り返す蓮見。

 先ほど全回復したばかりの蓮見のMPが全てなくなっていく。


「――『死体総集』」


 間欠泉から一定間隔で噴き出る熱水が地獄と現世の境界を繋ぐゲートとなった。


『屍ちゃんたち、命令だよ。お兄ちゃんを護るために亡霊となって目覚めようか♪』


 しかし闘志を燃やすギルド長と副ギルド長とは対照的にソフィとルフランの言葉から意図を察したギルドメンバーたちが【深紅の美】ギルドを集中的に狙いだし状況が大きく変わった。これでは戦力差が違い過ぎて実力だけではどうにもならないと朱音以外のメンバーがこれはもうダメかもと心が折れ始めた。

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