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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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再戦 蓮見(狐)VSリューク(人)


「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらぁぁぁぁぁぁ!!!」


「ふっ。遅いな。スキル『虚無残像』!」


 残像の拳がリュークの残像を貫いていく。

 何度も何度も――。

 だけど――リュークの本体だけが捉えられない。


「なっ!? 俺より速い……?!」


 驚きを隠せない。

 速さだけでは誰にも負けない自信があった。

 だからこの攻撃は通ると思っていただけに蓮見にとって攻撃が全て躱されてしまう事実は想定外だった。


「ふふっ、アハハ! お前の対策は完璧だと気付かぬとは本当にバカなのだなアハハ! 虚無残像は相手のスキル攻撃を躱す回避スキルだ。さぁどうする? この俺の一撃!」


 大剣使いの弱点。

 それは攻撃した後。

 性質上どうしても大振りになり重心が偏りやすい大剣。

 それを補うスキルとして虚無残像を習得したリュークに死角はない。

 全ての攻撃を躱したリュークが大剣を大きく振りかぶって振り下ろす。

 肉を切り裂く容赦ない一撃は蓮見の胸元を切り裂く。


 グハッ!?


 不屈者の効果でHPゲージが運よく一残った。

 本当に運が良い。

 だけど生き残ったせいで胸元を切り裂かれた痛みが激痛となって蓮見を襲う。

 しかし苦しんでる余裕はない。

 もたもたしていたら余裕の笑みを見せるリュークの第二撃が来るからだ。


「……っう」


 胸元を手で抑え苦痛に顔を歪めた蓮見はリュークだけを見ている。

 その目はまだ勝負を諦めてない。


「どうしてなんだ……どうして……いつも俺は……勝てない……」


「気付かないのか? この世界は力こそ正義。弱者は負け強者だけが生き残る。そんな世界だとなぜ気付かない」


「ちから……だと……」


「そうだ。今のお前ではミズナやルナの本当の力を引き出せない。それはお前が弱者だからだ。弱者だからこそ才能がある者を導けないのだ。素質だけで言えば俺以上。ミズナとルナは朱音さんの娘でありその才能の片鱗はもうお前も見ているだろ?」


 ゆっくりと近づいてくるリュークを蓮見はただ見ている。


「なのになぜ里美との差が広がるのか。それはお前では役不足だからではないのか? それはギルド長としてだけではない。これは俺の予想だが朱音さんがお前の近くにいるのはお前が二人を任せるのに適任なのかを見極めているからではないのか? あの二人は俺と同じくいずれプロを目指すだろう。このゲームにおいても近い将来賞金が出る大会との噂もある。そうなればプロゲーマーを目指す者たちは少なからずいるはずだ。それを朱音さんが知らないはずがない。少なからずお前から引き離せない理由があって二人のフォローが出来るようにとお前の近くにいるのではないか? と俺は見ている」


「……なにがいいたいんですか?」


「力こそ正義。強者こそが強者を導くことが出来る。強者こそが欲望を叶えるに相応しい。強者こそが仲間を護れる。全ては強者こそが絶対それが【灰燼の焔】ギルドの言葉。だから弱者はもう眠れ。お前と俺には致命的な差がある。実力以上にお前には勝ちに対する執念がない。俺たちはお前とは違い遊びは遊びでも将来を見据えて行動している。だから遊びだけのお前には負けられないと知れ。スキル『朱雀の陣』そして朱雀よ演舞の力を受け取り召喚獣としてこの地に降りてこい『ゴッドフェニックス』!」


 懐かしくも死を連想させる朱雀が炎の魔法陣から出現する。

 神々しく燃える炎で出来たかなり大きな鳥――朱雀。

 羽を動かすたびに熱風が周囲を襲う。それにKillヒットポイント、テクニカルヒットポイントの数が極端に少ない。Killヒットポイントは不死鳥の心臓部でテクニカルヒットポイントは頭と両羽の三つだけ。

 そして朱雀は魔法陣の力を受け取り進化する。

 従来の朱雀はスキル使用中にMPゲージを大消費するデメリットがあったが力を与えられた朱雀は今までとは違う。召喚獣として性能が大幅に強化され《《不死鳥となった》》朱雀はHP自動回復(大)を常時発動しプレイヤーのMPゲージを一切消費せずに動くことが可能となった。


 向けられたリュークの力に蓮見の全身に鳥肌が立った。


「良し、コピー完了」


 誰にも聞こえない声で呟いた蓮見。

 メールが使える対召喚獣用のスキルを使った。

 一部の上位召喚獣のみが取得できる『ミラースキル』を使用した蓮見は二十四時間以内に限り一度だけコピーしたスキルをいつでも好きなタイミングで使うことができる。


「さぁ、終わりにしようか。十パーセントの奇跡を取れるものなら取ってみろ【神炎の神災者】! 不死鳥の炎は全プレイヤーの火、炎、熱、に対する無効化や軽減と言ったスキルを全て無視して敵を焼き尽くす神秘の炎だ。それでも生き残れると言うならお前は本当の化物だ」


 不死鳥となった朱雀の口から高密度エネルギーと化した炎が放たれる。


「紅!」


 異変に気付いた美紀の大きな声が聞こえた。

 だけど反応する余裕は一切ない蓮見。

 いつもみたいに何処かに逃げようにも広がりながら迫りくる炎が大きすぎて回避場所がないし、そもそも蓮見は結界と言った類の防御スキルを持っていない。


「チッ、俺の炎と一緒でKillはできないか……」






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