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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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本能と理性の葛藤、美紀様勘弁してください


 だが理性ではなく、本能を刺激して遊ぶ美紀の思惑に身体は流される。


 ――ゴクリ


 手で触れればきっと弾力があり柔らかいであろう胸だけではなく美紀が付けている黒色の下着が蓮見の若い肉体を更に刺激する。このままでは健全な男子として息子が美紀の身体に反応する前に負けを認める。


 昔から美紀は怒るととても怖くて、調子に乗るととことん相手を手のひらで転がしてくるのだ。もし蓮見が健全な男子ではなく欲望に忠実な男子ならば今頃美紀はどうなっていたのかと思えるほどに。だけどそこまで計算してやっているようにしか見えないと言うか絶対そうだろと言う確信がある蓮見に抗うすべはなかった。


「……わかった、わかったから。離れてくれ。俺の負けだ。今日のイベントは俺が楽しみながらしたのが半分で、残りの半分は美紀のために頑張った……です」


「やったぁ! 私の勝ちだぁ~!」

 蓮見の身体に馬乗り状態の美紀が両手を上げて喜ぶ。

 何とか理性が失われる危険から逃れた蓮見は安堵のため息を吐く。

 心臓がこれ以上にないぐらいに鼓動が早くなっていた。

 理由は考えなくてもすぐにわかった。

 と言うか心臓に本当に悪い。

 美紀が思っている以上に蓮見から見た美紀は可愛くて立派な女の子なのだ。


「なぁ、美紀?」

「どうしたの~?」

「いや……何でもない……」


 美紀の笑顔を見て思った。

 これは何を言っても論破されると。

 だから何も言わない事にした。


「それより、少しはドキドキした?」


 蓮見が何て言って誤魔化そうかと考えていると、


「顔が真っ赤ってことは、私の身体をいやらしい目で見てたって事だよね?」


 ――誰かこの暴走した美紀を止めてくれ


 ――俺の心が壊される前に、誰か……、誰か……、助けてくれ……


「もしかして私を襲いたいとか初めてを奪いたいとか考えてたの? 蓮見ってそんな人だったの?」

 言葉の割には何故か嬉しそうな表情の美紀様。


 蓮見を追い詰めるように第二波を仕掛けてくる。

 小悪魔はそのまま顔を再び近づけると同時に再び胸を強調してくる。

 今度は蓮見の身体に少し胸が触れるように。

 少ししか触れていないのに女の子の柔らかい胸の弾力が服越しでしっかりと伝わってくる。


 ――あぁ……美紀ストレス溜まってたのか……


 そう美紀が大概こうなるときはストレスが大半の原因だ。

 それも一日や二日じゃない。数日から数週間、長いときは数ヵ月分の。

 そして発散と称して相手をとことん責めておもちゃにするのだ。ちなみに蓮見限定と言う嬉しくもそれと同じぐらいに困るオプション付きである。


 ――しまった……こんな事ならゲームの中では大人しくしてればよかった……


 ようやく頭が色々と理解し始めて理性が本能を抑えだす。

 このままでは心を壊されるだけでなく社会的に殺されると脳が理解したからだ。

 下手な言い訳をすれば、更に第三波、第四波が来ることは過去の経験上分かっている。


 ここは美紀様のストレス発散の為にプライドを捨てる事にした。

「……はい。だって美紀が……可愛いから」

「本当にそう思ってるのかな蓮見君は? 普段私に対して素っ気ない時があるけど?」

「思ってる。でないと、こんなにドキドキしねぇよ!」


 顔を真っ赤にしてようやく素直になった蓮見。

 いや素直にさせられた蓮見を見て、美紀が再び両手を上に上げる。


「いぇーい! はすみぃ~がようやく素直になったもんね~! 今日のはすみぃは私を可愛いと認めたぁ~!」


 普段しっかりしてる美紀を見ていると、こっちが本当の美紀なような気がしてならない蓮見。

 ちなみに去年は家が遠かったがこんな感じでちょくちょく会っていた時も当然あった。

 そしてそれは家の中で二人きり且つ美紀のストレスが溜まっている時に起きやすかった。


 これでとりあえず美紀の暴走も収まるだろうと思っていた蓮見。

 だがこれで終わる程、現実は甘くなかった。


「それでね……はすみぃ?」

「……はっ、はい。なっ、なんでしょう?」

「さっき私の胸がはすみぃの身体に触れた時、ビクンってなったのはなんでなの? やっぱりはすみぃも男の子だし私の気持ちを無視してそうゆうことしたいとかあるの?」

 そしてまたその破壊力を秘めた胸を蓮見の身体に当たるまで密着してくる美紀。


 ――ダメだ。俺の心を壊すまで今日は止まりそうにない……



 こうして二人の長い夜はまだまだ続くのであった。


 しばらくして心身ともに疲れた蓮見は深い眠りに入った。

 その後、寝静まったのを確認して美紀は「からかってゴメンね。でもこんな事するの蓮見だけだから」と蓮見の頭を撫でながら言う。

 

 美紀は可愛い蓮見の寝顔を見て、最後に「好きだからたまには困った顔を見たくて意地悪したくなるんだよ」と呟いて頬にお詫びのキスをして深い眠りに入る。この時美紀の顔は真っ赤になっていた。当然蓮見はこの事を知るよしはなかった。


 蓮見が言っていたストレスは間違いではない。

 ただ正確に言うならばストレスが溜まった時に美紀が蓮見に構って欲しいだけであった。後は困った顔をたまには見たいと言う小悪魔の願望である。


 蓮見がお風呂に入っている間、提示板では【エリカも蓮見に気があるのでは?】と言う噂が流れておりそれが美紀の心を大きくかき回していたのは当然美紀だけの秘密。


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