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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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全力シリーズから究極全力シリーズへ昇華された物


「エリカさん援護お願いします」


「了解。だけどなにすればいいの?」


「見たところ後少しだけ俺に残された時間があると思います」


「それで?」


「今から急降下して地上に行きます。エリカさんは途中で来る敵の足止めをなんでもいいのでしてくれませんか?」


「倒さなくてOKな感じ?」


「はい。足止め程度で構いません。後は俺が……何とかしますから」


「わかった」


 空中で一回転してそのまま羽を折りたたんで急降下を始めた蓮見。

 敵の予想通りの動きに気を付けながら可能な限り距離を取りつつ急降下。

 近づいてくる敵はエリカがアイテムを使い足止めや目くらましをして時間稼ぎで対処していく。

 途中視線だけを動かし綾香を探すが、どこにも見当たらない。

 それどころか仲間と一緒に攻撃してくるかも?

 と警戒していた蓮見だったがこれには困惑してしまう。


「どうなってる……どこにいる?」


「綾香のこと?」


「はい」


「不気味ね」


 エリカの言葉通りだと蓮見が頷く。

 戦場にいるはずなのに姿がどこにも見当たらない。

 それが妙に胸の奥でチクチクする。

 一体綾香は何を考えているのだろうか?


「逃げたのか?」


 ふとっ思ったことを口にするも、


「そんなわけないか。あの人が逃げる……想像できないしな」


 すぐに否定の言葉も出てきた。

 戦闘好きな綾香が攻撃の手を休めた理由。

 それが知りたい蓮見にエリカが可能性の話しを持ちだす。


「もしかして……」


「エリカさん?」


「これはあくまで私の予想。綾香は麒麟の攻撃タイミングを待っているのかもしれないわ」


「つまりどういう意味ですか?」


「麒麟の最大火力の攻撃に自分の攻撃を合わせた綾香が持つ最強クラスの攻撃を仕掛けてくるかもしれないっていう可能性よ」


「マジか!?」


「あくまで私の予想だけどね」


 最後の方は自信がないのか少し小声になったエリカだったがエリカの考えは正しかった。綾香はずっと蓮見の視界から消えてから麒麟の角が放つ強い光と太陽の陽によって姿がとても認識しづらくなっており、光が強いため点も見えにくくなっていた為に麒麟の背中に跨っている綾香に誰も気付かないでいた。


「そろそろ頃合いかな、……」


 悪い予感へのカウントダウンが開始される。


「雷光一閃……私が持つ最強の突きであり、最も速く最も貫通力がある技。麒麟の最大火力の雷撃をレイピアへ移植し放たれる一撃はどんな盾や攻撃も正面から貫きかき消すほどに強力。もう誰にも止められないし、これでジ・エンドだよ紅。三、二……」


 綾香の心臓が高鳴り、血が沸騰する。

 そんな少女が見せる笑みは絶対的な確信――勝利。

 と、もう一つ。

 これをどう攻略する?

 と、期待の二つの意味を持っていた。


「「一」」


 神災狐が四本の脚で地上に着地したタイミングでカウントダウンが残り一になった。

 エリカは頭上から迫ってくる敵プレイヤーが残り一秒では絶対に近づいて来れない距離にいることを確認して一安心。

 二つのカウントダウンが偶然か必然か奇跡かあろうことか同時に一になった瞬間、エリカは蓮見にしっかりとしがみついて強硬薬を使い自身の防御力を大きく上昇させた。


「紅……ごめんね、行くよ」


 とても小さい声。


「綾香さん……チェックメイトです」


 とても小さい声。


 二つの声はどちらも敵に投げかけた言葉ではなく、二人が自分自身に最後の合図として発した言葉だった。だけどその言葉が意味するとおり、この瞬間最後の衝突が始まる。これを制した方が勝つ、そんな最後の衝突。


――。


――――見えた!


「これが今の私の全力だよ! 邪魔する者を穿つため雷を纏いて最強の一突きを繰り出せ、雷光一閃!!!」


「今だ! 俺様究極全力シリーズ、真究極大爆発パレード(シンアルティメットビッグエクスプローション)!」


”ウオオオオオオオオオ!!!”


 大きな声と大きな方向が戦場へと響いたことがスイッチとなり、蓮見の第二弾究極全力シリーズが発動する。

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