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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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【深紅の美】VS【雷撃の閃光】 中編


 蓮見が再び動き始めたと報告が入った【雷撃の閃光】ギルドは警備態勢を最大級の物に切り替え、他ギルドに攻撃に出ている者と偵察に出ている者を至急全員呼び戻し始めた。

 それを上空で確認した美紀たちにも緊張が訪れる。


「こちらの動きを既に把握しているのかしら?」


 ここで冷静になった七瀬が確認するような口調で呟く。

 白い雲の隙間から見え隠れする雷撃の閃光ギルドメンバーの雰囲気が変わった。

 だからと言ってそれにビビったわけではない。

 ただ予期せぬ展開に巻き込まれないように今のうちに仲間と考えをすり合わせて置きたいのだ。


「どうかしら。それにしては上空が手薄な気がする」


「私もそう思います」


「と、なると他のギルドを警戒しての可能性が高いわね」


 美紀の言葉に朱音が「なら今のうちに攻める? 準備万全かつ他ギルド参戦となったら戦場が間違いなく混乱するわ」と言葉を送ると、美紀が腕を組んで考える。

 蓮見がいなくなった時点で大幅な火力ダウンはもうどうにもならない。

 ならば現状――どうすることが正解なのか。

 それを考える。


 ――。


 ――――。


 考えがまとまった美紀がついに決断する。


「朱音さんの案で行きましょう。エリカは上空から私たちの支援をお願い」


 その言葉に頷く一同。

 【深紅の美】ギルドの意見が一つにまとまった。

 後は仕掛けるタイミング。

 と言いたいところではあるが、情報収集能力で既に劣っている以上時間をかければかけるほどこちらが見付かるリスクが高くなると考えた美紀は「皆行ける?」と速攻を仕掛けることにした。


「援護は任せて!」


「行けるわ」


「私も」


「愚問ね」


 その言葉に頷いて美紀が「突撃!」と叫ぶと同時上空で浮遊していた美紀を筆頭に全員が動き始めた。


「ミズナ! 私が前に出る。援護は任せる!」


「任せてお母さん!」


 まず朱音と七瀬の二人が全員の注意を惹くように先行して急降下と同時に遠距離魔法通常攻撃を使い敵拠点を含めた敵全体に奇襲を仕掛ける。

 小さな弾幕がぽつぽつと雨のように降り注ぎ爆発。

 それに気が付いた敵が迎撃の為、翼を広げ突撃してくる。


「結構な人員が一斉に動き始めたわね」


 【雷撃の閃光】ギルドは初めから【深紅の美】ギルドを最警戒している。

 当然警戒している敵が攻撃して来れば全力で反撃に出るのは当たり前。

 だけど読みが少し外れた程度で朱音は止まらない。

 杖からレイピアへと武器を切り替えた朱音とその後を追うような形で飛行する七瀬はアイコンタクトで意思疎通を行い本格的な攻撃を開始する。


「さぁ、私を止めれる者なら止めてみなさい!」


 強気な朱音に襲い掛かるのは神殺しの礼装シリーズに身を包んだ【雷撃の閃光】ギルドの精鋭部隊二十名。


「お母さん! こいつら雷撃の主戦力!」


「安心しなさい。それぐらいわかっているから! スキル『加速』『水龍』!」


「そう簡単に包囲はさせない! スキル『焔:炎帝の怒り』!」


 上空で朱音が発動した水龍を七瀬の炎が撃ち抜き水蒸気爆発を起こし、辺り一面が熱せられた水蒸気で視界が悪くなった。

 一見誤爆のように見えた二つの攻撃の合わせ技。

 だけどその程度で止まる二人でも精鋭部隊でもない。


 爆発の音を合図に激しい戦いが始まった。

 目にも止まらぬ速さで敵を翻弄し視界の悪さを利用した巧みな攻撃を繰り出す朱音はやはり一人別格と言わざるを得ない。


「こいつら前回より腕を上げて来たわね」


 そんな中遠距離攻撃で援護をする七瀬の元にも数名の精鋭部隊がやってくる。


「スキル『烈風』!」


 突撃してきたプレイヤーを風を巻き上げ竜巻を生成することで吹き飛ばす。

 竜巻が切れるタイミングを狙った狙撃魔法をすぐさま障壁を展開することで防御。

 一秒でもタイミングがずれれば被弾したであろう攻撃に七瀬は久しぶりにワクワクする。


「ほら、ぼさっとしない」


 七瀬に追撃をしようとしていた魔法使いに朱音が攻撃を仕掛け七瀬を護る。


「スキル『乱れ突き』!」


「甘い! 力勝負なら負けぬ! スキル『乱れ突き』!」


 朱音のスキルに対して全く同じスキルで相殺を試みた敵プレイヤーの一人。

 自分の腕に自信があるからこそできる芸当。

 だけど同じスキルでもやはりと言うべきか朱音のスキルの方が技のキレがよく返り討ちにあいダメージを受けてしまう敵プレイヤー。

 そんな敵プレイヤーをすぐさま援護すべくすぐに別方向から敵が襲い掛かってくる。

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