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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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激突!!! 究極超新星爆発お披露目だぜ!!!


 ルフランの不意打ちを受けた美紀がすぐに反撃に出ようとしたタイミング。

 後方から忍び寄るもう一つの影。


「この気配……」


 動こうとしていた足を止めて、美紀が槍を構え腰を低くして二撃目の不意打ちに備える。

 僅かな気配。

 それを見逃すことなく察知する美紀にルフランは最大の敬意を払う。

 正直、女の身にしてここまで強いプレイヤーが同世代にいたとは今まで気付かなかった。

 もっと言えば――成長が速い、と言うべきだろう。


「ミカヅチ挟撃だ!」


 剣聖ミカヅチ――プレイヤーのステータスをコピーし自立分身として作用する召喚獣。プレイヤーが剣を装備していた場合、STRが倍になる超攻撃特化の召喚獣は黒い鎧を身に纏い人の形をしている。

 ルフランの声を聞き、タイミングを計り同時に前方と後方から挟み込む。


「前十二メートル、後ろ九メートル、速度は同じ……間違いないわね、ルフランの召喚獣ね」


 冷静に状況を分析しながらも鋭い眼光で牽制してくる美紀。


「ただ――厄介なのはルフランであって召喚獣じゃない。ミカヅチはあくまでプレイヤーの分身」


「行くぞ! スキル『下弦の剣舞』!」


「了解! スキル『上弦の剣舞』!」


 二つで一つのスキル。

 水面に浮かぶ月を斬るが如く鋭い一閃が美紀に襲い掛かる。


「……誤差は一秒程度。紅と違いKillの可能性が低いなら……」


「燃えろ! 俺の闘志!!!」


「援護は任せてください、マスター!」


「……行ける!!!」


 左肩から斜めに身体を切断する鋼鉄の刃を力いっぱい振り下ろす。

 その後方からは鏡の中の自分を移すようにしてミカヅチが美紀の身体を切り裂こうとしている。


「行くわ! スキル『幻惑の眼差し』!」


 相手の認識を一瞬ずらすスキルを使い、敢えて後方に下がることで剣を数ミリ単位で躱す。そのまま後方を見らずに右手で槍を扱いミカヅチの一撃を受け止めに行く。

 それだけではない。

 後方に下がった運動エネルギーを回転エネルギーへと変換し素早い体重移動と左手による短刀の攻撃。右手はしっかりと手首で固定しミカヅチの剣を受け止めている。

 最早一芸と言わざるを得ない。


「やっぱり。名前からして鏡映しかと思ったけど大正解のようね」


「ばかっ、な!? 私の一撃を!?」


「うろたえるな、ミカヅチ!」


 スキル名、そしてたった一撃躱しただけで剣の軌道を瞬時に把握しての反撃。

 襲るべき少女だ。

 そんな少女の目はミカヅチではなく、既にルフランへと向けられている。

 まるでミカヅチは怖くないと言わんばかりの姿勢。

 それを見たルフランは――美紀にはわからない一瞬のやり取り――アイコンタクトを行う。

 それだけで完璧な意思疎通をしたルフランとミカヅチ。

 ん? と美紀が思う時にはもう二人はそこにはいない。


 攻撃が読まれたことで無理せず次へと繋げるため一旦距離を取り、次の一手へと備えていたからだ。


 つまるところ。

 敵から見た美紀や蓮見は――とても強く厄介だった。


 

 ■■■


 ちょうど両者がお互いの実力を正確に把握し始めた頃。


「全員俺様の所にカモンベイビー!!!」



「「「「了解!!!」」」」



 愉快な笑い声をあげる男がいた。

 蓮見である。

 神災竜の姿だからこそ、それは見る者によっては悪魔の笑い声にしか聞こえない。

 事実――ハイテンション蓮見がついに完成したこの瞬間――歴史の一ページが進むことが決定した。


 七瀬の『爆焔:chaos fire rain』は既に使っていると言うことで朱音に大声で助けを求めた蓮見は既にもう一つの『爆焔:chaos fire rain』を手にしていた。


 隣には蓮見の新しい相方メールがいる。

 今回はメールのスキルが蓮見の究極シリーズ完成の鍵を握っている。


「お兄ちゃん行くよ! スキル『パワーアタック』『竜巻』『ハイドロポンプ』!」


 一点に凝縮した水は風を切り裂く水の刃となって真っ赤な炎が埋め尽くす大空に浮かぶ魔法陣へと吸収され、数を十倍にして放出される。

 空には蓮見が調子に乗って射出した大量の銃弾と大地を灼熱地獄にしている炎の渦が縦横無尽に漂っていた。

 砲身から射出された銃弾は炎の渦の中を突き進み真っ赤に染まり表面が融解を始めるほどに高温状態となっている。

 そこに敵プレイヤーを容赦なく切り裂く水の刃が敵と一緒に銃弾も切り裂くかのように勢いよく触れる。


 それが更なる爆発《《をも》》生み出していた。


 原理はとても簡単で、今回の聖水瓶に使用された燃料《原子番号12》が燃焼する炎に放水が行われると、燃焼反応が促進し、とても危険な状態になる物だったからだ。


 なにより――メールのスキルは蓮見の模倣によって作られたレプリカに吸収されていた。

 本物は別で蓮見が模倣を使い複製したスキル『竜巻』と神災竜専用スキル『紅蓮弾』で作った俺様全力シリーズ炎嵐ファイアーテンペストの勢力拡大へと使われていた。


 十の水の刃と十の炎嵐ファイアーテンペストの衝突が引き起こす爆発。

 十の水の刃と炎の渦を通り融解を始めた銃弾が引き起こす爆発。


 この二つをかつてない大規模融合した男の手によって起こされた惨劇は


 ――ドドドドドドドドドッ!!!


 誰もが予想にしなかったノイズをこの世界に走らせた。

 まるで壊れかけのテレビのようなノイズがあちこちに出現する。

 それは――なにか――とんでもない――事象――なのかもしれない。

 空を飛んでいたプレイヤー、地上にいたプレイヤー、目視できる範囲で遠目に【深紅の美】ギルドと【ラグナロク】ギルドの戦いを見ていたプレイヤー、へと突如襲う轟音と暴風、例えるなら渦巻く暴力的な力の暴走に絶句する者たちがいた。

 今まで多くの修羅場をくぐってきたルフランですら経験したことがない事象は最強をも恐怖のどん底へと容赦なく突き落とす。

 全身が震え、どんな防御系統のスキルでも防げないと思われる一撃は。

 天地を揺るがす力で、強引に世界を従わせ、作り変え、全てを無へと戻す(強制デリート)と錯覚してしまうほど。


「……終わった」


 そう言い残してルフラン率いる【ラグナロク】は《《たったの一撃》》で《《全員敗北》》した。

 これが俺様究極シリーズ――究極超新星爆発の力。

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