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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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朱音の支部ギルド攻略


 拠点から少し離れた所から相手の動きを観察する朱音。

 このまま正面から突破しても良いがそれだとイベントの残り時間を考えると少し体力的に無理がくるかもしれないと身体にかかる負荷について考える。

 と、言うのも思ったより人数がいるのと神殺しの礼装シリーズを装備したプレイヤーが意外にも多いからだ。

 神殺しの礼装シリーズはアイテムだけでなくプレイヤー同士によるダメージを軽減する物もあったり本当に多種多様で強力な装備なのだ。その分入手難易度も簡単な物から難しい物まであり例え入手しても強化や進化とやることが多くまだ未知の部分が多い装備でもある。当然自分が知らない能力の物もあるだろうし、入手難易度が高い物ほど敵にすれば厄介となる。


「全員落ち着け!」


 力強い声が拠点の中から響いてくる。


「【神炎の神災者】は今こちらに向かっていると聞いた! つまり敵は【神炎の神災者】ではないはずだ!」


 女でありながら体格が良いレベッカの声だ。


「ここは私たちが敵をお相手しまーす!」


「次の獲物はどなたでしょう? ワクワクしまーす!」 


 それに続くようにして綺麗な金色の髪が風に揺らされながらアリアとクレアが姿を見せる。


「あら? 骨がありそうね」


 クスッと微笑んでゆっくりと歩いて三人に近づいて行く朱音。

 その佇まいは正に強者。

 雑魚には目もくれずただ強い敵を探してさ迷う幽霊のよう。


「スキル『アクセル』」


 そのままゆっくりと近づいていくと三人が朱音の存在に気付き武器を構えると同時に朱音が一気に距離を詰める。一直線に加速した朱音は右手を勢いよく伸ばしてレイピアをレベッカの心臓目掛けて放つ。


「――ッ!?」


「「お師匠!!」」


 ――カーンッ!!


 朱音のレイピアがアリアの剣によって弾かれた。

 ほんの一瞬の出来事ではあったが朱音はすぐに足腰に力を入れて態勢を整え防御姿勢に入ったアリアへと連続攻撃を仕掛ける。


 絶妙な間合いを維持しながら朱音の華麗な攻撃を剣で防御するアリアの援護にクレアが参戦。背後から迫りくる影を確認した朱音。だが攻撃の手は止まらない。


「背中がらあきでーす!」


「ふふっ」


 双剣が振り抜かれる。


「確かにがら空きかもしれないわね。でも当たらなければ問題ないでしょ?」


 不敵に微笑む朱音に背後からクレアの双剣が襲い掛かる。


「そ、そんなっ!?」


 前方へと伸びた影だけを見て後方からの攻撃をスキルも使わずに回避する朱音。

 そのまま振り向きもせずに攻撃を躱しながらアリアのガードを徐々に崩していく。


「ま、マズイ? この人かなり強い人!?」


 朱音について詳しい情報を知らないクレアは驚かずにはいられない。 

 レベッカが叫ぶ。


「二人共一旦下がれ!」


 アリアに護って貰ったレベッカがハンマーをぶん回しながらアリアと朱音の間に割って入る。そのまま朱音からアリアを護ろうと朱音へと突撃してくる。


「ふふっ。貴方の思い通りにさせると思う?」


「これは超ヤバいでーす!?」


 危機感を感じ取ったアリアとクレアがレベッカの指示通り一旦距離を取り乱れたペースを落ち着かせようとするもレベッカの攻撃をいとも簡単に躱した朱音は後退したアリアへと近づいていく。


「動きに無駄がない……。これがあの姉妹の親の実力」


 レベッカの攻撃はどうしても武器の性質上小回りに欠ける。

 故に一度躱し抜いてしまえば全力で前へとかけていけばスキルを使われない限りすぐに追撃される可能性は低い。

 

「仕方がありません。こうなったら行きまーす!」


 後数歩で朱音がアリアとの距離を縮めレイピアの攻撃範囲内に捉える所で今度はアリアが正面から突撃してきた。


「はああああ!」


「ふふっ。そうこなくちゃね」


「絶対に負けませーん!!! スキル『ブリザードソード』!」


 アリアの持つ剣が青白く光輝くと地面から氷が出現し朱音へ襲い掛かる。

 さらに氷の一部を足場に大きくジャンプして飛び込んでくるアリア。


「なるほど。二段構えとは中々に面白いわね」


 朱音の注意がアリアへと向いたタイミングで後方から忍び寄る影が二つ。

 レベッカとクレアである。

 チラッと二つの影に視線を向けた朱音は既に頭上から力任せにハンマーを振り下ろし落下してくるレベッカと気配をギリギリまで消して双剣のスキル『幻影の舞』を使いアリアとの挟撃を企むクレアの姿を視認した。

 前と後ろと頭上。

 三方向からの攻撃に対し、朱音の身体が考えるよりも先に動く。

 右手にレイピアを持ったまま背中にある杖を左手で持ちスキルを発動。


「スキル『精霊の盾』!」


 導きの盾の上位スキルである精霊の盾が発動。

 直径五メートルの薄い緑色の盾がブリザードの盾となる。


「スキル『追尾水手裏剣』!」


 だが反撃のために放った追尾性能を持った水手裏剣五枚はアリアへは当たらず何処かへと飛んでいってしまう。

 

「良い攻撃だけど甘いわ。貴女たちの攻撃は連携が綺麗すぎる故に読まれやすいのよ。スキル『烈風』!」


 朱音の足元から強く吹き荒れ始めた風が渦を巻いて竜巻を形成し空へ向かって伸びていく。それにより頭上から攻撃を仕掛けてきたレベッカが竜巻に呑まれて身体ごと吹き飛ばされてしまう。


「お師匠! このおおおおお!!!」


 アリアが力いっぱいに振り上げた剣を振り下ろす。


「甘いわね」


 それを左手に持った杖で防ぎながら朱音は身体を半身にしてクレアの方へ視線を向ける。


「これで身動きは封じました!」


「そうなの? それは危ないかしら?」


「ん?」


「私がダーリンに惚れた理由知ってる?」


「どういう意味です?」


「私の力を持ってしてもダーリンの行動だけは全く読めないからよ。もっと言うとね貴女たちの動きはとても読みやすいの。だからこうなるのよ?」


 クレアのクロス斬りが朱音へと迫る。

 そんなクレアの背後から回転しながら襲い掛かる物があった。


「相手の背中を取る。それは実に言い考え。だけどね、やるならやられる覚悟ももちなさい」


 クレアの背後から迫りくる水手裏剣は追尾性能を有した水手裏剣。


「まさかあの時アリアへ攻撃した!? あのときのアリアへ攻撃したのはフェイク!?」


 幻影の舞の効果範囲内にまで水手裏剣が接近したことで朱音の狙いに気付いたクレア。


「そうよ。私の狙いは貴女よ?」


「ま、まずいでーすッ!」


 既に攻撃モーションへと入ったクレアは強引に姿勢を変えて水手裏剣からの攻撃に回避を試みるも間に合わず攻撃を受けた。


「きゃあああああ!」


「クレア!」


 悲鳴をあげるクレアを心配するアリア。

 左手の杖の力を抜き、空中にいるアリアの重心を下へと向けた朱音はそのまま回し蹴りでアリアの身体を蹴り飛ばす。


「同じ女同士。多少の攻撃は多めに見て頂戴ね」


 一人で全ての攻撃を捌き切った朱音の目にある男が映る。


「あら? あの子たちの言う通り本当に来たのね。ダーリンの分身♪」


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