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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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美紀VSスイレン 乱入者


 だけど――。


 それは――。


 長くは続かない。


「ウィザード! 遠距離攻撃の援護をお願い!」


 スイレンが何処かに隠れている召喚獣に聞こえるように大声で叫んだからだ。

 槍と短刀が交錯し押し合いになり、二人の動きが止まった。

 これはマズイ。

 次の一手はどうする?

 美紀が頭の中で考えようとしたその時――最恐の遠距離攻撃を得意とする奴の声が耳に入ってきた。


「ふふっあははははは!!! 世界が俺様を呼んでいる気がするぜ!」


 美紀とスイレンが対峙する戦場へと大胆不敵に姿を見せたのは六十本の毒矢を携え発射準備状態にした神災竜。

 それを見た美紀とスイレンがお互いに大きく後方へとジャンプして距離を取る。


「ヨっ! 助けに来たぜ里美!」


「…………はっ? 呼んでないけど?」


 せっかく久しぶりの強敵でこの状況を楽しんでいただけに美紀が不満顔を蓮見に見せる。


「……えっ?」


「……えっ?」


 流石は幼馴染。

 まるで鏡のように二人が首を傾け難しい顔をした。


「あ、あれ……?」


 急に困ってしまう蓮見。

 だけど本当に困りたいのは蓮見以外のメンバーである。

 突然現れてはわけのわからないことを言われても理解に苦しむからだ。

 これには流石の美紀だけでなくエリカと可愛い里美ちゃん戦隊も唖然としてまともに声すら出なかった。


「とてつもなく嫌な予感がする……」


 エリカは自分がした過ちの大きさをなんとなく正しく感じ取っていた。

 この神災竜実は……。


「す、スイレンさまぁーーーーー!!!」


「どうしたの?」


「た、た、たたたたたたたいへんです! 神災竜が各地で暴れ始めました! し、し、し、しかも全員第三形態です……今確認できているだけで三体。うち本体と思われる者はそのままの姿でリューク様と交戦中。そして一対はあの【ラグナロク】と【雷撃の閃光】二つの精鋭部隊とギルド長副ギルド長をまとめて相手にしています。さらにもう一体は我々の支部ギルド……さらに【雷撃の閃光】支部はああああかねが既に奇襲を仕掛けているとのことです……。そこに追い打ちをかけるように……神災竜が鼻歌を歌いながら他のギルドにちょっかいをかけながら向かっているとのことです! 合流されたらもう太刀打ちできるメンバーはあそこにはいません! それに【ラグナロク】支部ギルドも……攻撃を受けているとの情報が……あちこちで神災が息をするかのように発生し各地でパニックが……」


 早口で冷や汗をダラダラ流しながら報告してくる偵察隊の男の言葉に全員が耳を疑った。


「や、やばい……私がからかったせいで変に理性が吹き飛んで既に前回の切り札だった四天王までもう使ってる……ど、ど、どうしよう……こ、このままだと、さ、里美に怒られちゃう……。それに分身にも武器が装備できるように全部装備あげたばっかだし、それ(分身装備)用のスキルも私がかなりの額ゴールドを援助して修得させたのがバレたら……」


 エリカは恐る恐る美紀の方へと視線を向ける。

 背中に流れる冷や汗が止まらない。

 身を持って人をからかい過ぎるのは良くないと知ったエリカ。

 でも好きな人の気を引きたかったんだもん!

 と、心の中に素直な自分がいるが、その結果がこれではとても笑えない。

 優勝候補に意図してか偶然かわからないが一斉に早々と攻撃を仕掛けた蓮見と朱音。

 その事実は歴代未聞にして誰しもが恐れ多くてできない行為。

 それを息をするかのようにしてしまった二人は恐らくまだ止まらないだろう。

 なぜならあの二人はテンションが高ければ高いほど自分の欲求を満たすまで止まらないのだから。

 それを止めるのは、控えに言ってかなり苦労する。


「まだ始まったばかりで……これ……か、はぁ~」


 美紀はチラリと加勢に来た神災竜を見て呟いた。

 ただし内心では、


(良し、これなら私の好意には気付かないはず!!!)


(ん~相変わらず読めない展開にしてくれるわね~。でもこれって……考えようによっては私がルフランやソフィや綾香とも戦えるチャンスがあるってことか♪)


(えへへ~、やっぱり蓮見とのイベントは楽しいな♪ それに今日は機嫌が良さそうだから夜甘えさせてくれそう!)


 などと、心の中は大忙しであった。

 そして表面上は素っ気ない美紀の予感通り蓮見はリュークと闘っていた。

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