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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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美紀VSスイレン


 蓮見がリュークと対面し、ルフランとソフィが戦っている頃。


「こうして手合わせをするのは初めてかしらね?」


「そうね。でも私たちに手を出したこと後悔させてあげる!」


「悪いけどこちらとしても後には退けないのよ!」


 そう言って短刀を抜き、突撃するスイレン。


 美紀は今までスイレンと直接闘ったことはないが、第二回イベントの時やそれ以外で七瀬や瑠香からスイレンの強さについては聞いていた。第二回イベントでは七瀬と瑠香が二人がかりで勝った相手。つまり普段は大きく目立たないものの接近戦においてはかなりの実力者であることは間違いない。油断はできないと、美紀は周りに注意しながらも戦いに集中する。


「行くわ! スキル『霧隠れ』!」


 スイレンの声に合わせて、霧が出現し姿が見えなくなる。

 視界が悪くなり二、三メートル先を視認がするのがやっとな状況。

 敵の目を欺き、小柄な機動力を活かした戦い方が【クノイチ】のスタイルでありスイレンの十八番。

 霧の中を自由自在に動く影を目で追う美紀は肩幅に足を開き槍を構え攻撃に備える。


「悪いけど、最初から本気で行かせてもらうわ! スキル『投擲分身』!」


 スイレンが投げた一本のクナイが二本へと分身し飛んでくる。


「そこ!」


 僅かな気配を感じ取りいち早く危険を察知した美紀が槍でクナイを撃ち落とす。


「ふふっ。流石ね。それならこれならどうかしら? スキル『投擲影分身』!」


 今度はスイレンが投げた数本のクナイが何本にも分身していき四方八方からクナイが同時に飛んでくる。

 美紀の頬を掠めるクナイは再び霧の中へとすぐに消えていく。


「――ッ!?」


「あらあら? 案外この手の攻撃に弱いのかしら?」


「随分と威勢が……なッ!?」


 霧の中空気を切り裂く音と共に美紀へと向かってくるクナイの数々にようやく気付いた美紀は大きく息を吸いこんで吐き出す。


「スキル『アクセル』!」


 そのまま気合いを入れた声を発声し、動き始める。

 止まっていれば的になる。

 そう考えた美紀は僅かに見えるクナイを避けながら霧の中を走る。

 どうしても反応が遅れたり、物理的に避ける隙間がないクナイの攻撃に耐えながら攻撃範囲外を目指す。


 だけどそれは。

 スイレンに読まれていた。


「そう。私のスキルを前にした多くのプレイヤーは攻撃をひたすら耐えるか、貴女のように霧がない場所や攻撃が届かない場所へと移動する。だけどそれこそ私の罠とも知らず、スキル『精霊結界』!」


「なんですって!? 結界って魔法使いじゃないと使えないはずでしょ?」


「そうね」


 肯定するスイレンに美紀が舌打ち。

 勘の良い美紀は気付いた。

 スイレンは既に召喚獣を使っていて何処かに隠している。

 そして一般的に精霊の盾と同じ耐久値を持ち敵を閉じ込めたり自身を守る盾に使う精霊結界を使ったのはスイレンではなくスイレンの召喚獣であると。


 トッププレイヤーの情報は攻略サイトによく情報が乗っている。

 スイレンもまた美紀と同じくトッププレイヤーであるためある程度のことは板を通して知っている。

 その為特段驚くことではない。

 恐らく当初は蓮見対策で使っていたのだろうがそれが不発に終わった今こうして何処かに身を隠しながらスイレンの援護をしている、そう考えた美紀は力技でこの状況を突破にすることにする。


「それならスキル『デスボルグ』!」


 槍が赤黒いオーラを纏い必殺の槍へと変わる。

 そのまま行く手を阻む精霊結界目掛けて美紀が全力で投擲。

 前方のクナイを蹴散らしながら飛んでいく槍を追いかけるように美紀が全速力で走り抜ける。


「ッ!?」


 視界が悪く走ることに全力なためどうしても後方の攻撃の対処が遅れダメージを受けてしまう。


「っう、痛いわね」


 美紀は白雪の短刀を腰から抜きで飛んでくるクナイを弾き落とすが、やはり視界が悪く全ては無理だ。

 それに美紀の反応が間に合わないような絶妙なタイミングでクナイが飛んでくる。 


 ある程度のダメージを覚悟した美紀はそのままデスボルグで破壊した精霊結界の隙間から飛び出てそのまま槍を回収。


「ええい! めんどくさいわね! スキル『竜巻』!」


 美紀が影分身で複製されたクナイと霧を纏めて吹き飛ばす。

 同時。素早く動く。

 敵の位置を特定した美紀は低空姿勢を維持し、再度投擲影分身を使い攻撃してくるスイレンとの距離を詰めていく。

 視界が見えるようになったことで最低限の回避行動を行うことでダメージを最小限に抑えそのままスイレンに向かって思いっきり槍を突き刺す。


「はああああ!!!」


 対してスイレンは攻撃の手を止めて、防御へと移る。


「速いわね。でも残念。スキル『精霊の盾』!」


「貰った! スキル『ライトニング』!」


 美紀の身体からバチバチと雷撃が出現し周囲にダメージを与える。


「スキル『石礫』!」


 近くにあった小石や砂利が巻き上げ美紀を襲う。 

 一撃の威力はないが、手数で美紀のHPを奪っていく。

 だがテクニカルヒットしない限りはすぐに致命傷にはならない。


「それなら! スキル『パワーアタック』!」


 スイレンの攻撃にビビることなく、美紀が真っ向勝負を仕掛ける。


 ここでようやく『精霊の盾』に亀裂が入る。


「面白いことをするのね。だったらスキル『乱れ斬り』!」


 石礫の攻撃が終わると、すぐにスイレンが追撃。

 精霊の盾が割れたことで美紀も槍を持ち直して至近距離による攻撃を開始。

 既にスキルの連発によりMPゲージを殆ど消費した美紀。

 それでも集中した美紀は強かった。

 スキルを使い攻撃してくるスイレンと互角に撃ち合い始める。


 二つの武器が弾きあい、火花を散らし、響音を鳴り響かせる。

 それは見る者を圧倒し二人が実力者であることを証明させる光景でもあった。


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