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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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【深紅の美】ギルドVS【灰燼の焔】ギルド

仕事で身体に疲れが……そんなわけで今月も先月と同じペースで更新予定にしました。


 ――朱音の連絡をエリカが受けてから五分後。


 腕のマッサージまでが終わり蓮見をソファーに座らせて膝枕をして貰い存分に甘えん坊さんになっていたエリカ。


「そう言えばさっきのメッセージ誰からだったんです?」


「気になるの~?」


「はい」


「ふふ~ん。秘密よ」


「意地悪ですね」


「ならもしもの話しで、仲の良い男の子って言ったらどうする~?」


 エリカの意地悪に蓮見の手がピタリと止まった。

 さっきまでエリカの我儘を聞いて頭を優しく撫でていた手が今は時間が止まったように全然動かなくなっていた。

 この手の意地悪はモテない自覚がある蓮見にはとても効果的で誰が見ても面白い反応が見られるのだ。


 普通興味がない相手や異性として気がある人の類でなければ男女問わずこの手の悪戯はあまり効果をなさいのであるが蓮見の場合は少し違う。


 美紀→幼馴染で校内やゲーム内で時折告白される。


 エリカ→理系の大学に通いルックスもスタイルも良く噂では大学内で付き合いたいランキング上位との噂が……。


 七瀬→美紀と仲がよく女子高に通うも、なぜかゲームを通して知り合った異性に告白されることがしばしばあるらしい。噂では灰燼の焔のリュークから……も。


 瑠香→美紀と仲がよく姉と同じ女子高に通うも、同性異性問わず人気が高いらしく至る所……。


 朱音→子持ちでありながら、まだまだ二十代で普通に押し通せる若々しさがあり、ゲームの腕は確かで経済力も抜群。基本的に異性とは一線をおくが気になる異性には壁がないらしい……もっと言えば子持ちなのに結婚して欲しい男性が後を耐えないのだとか……。


 と、このような解釈が瞬間的に脳内ででてきた蓮見の脳は情報処理能力限界を超えてフリーズ。自分一人だけ……異性と近しい縁が……ない……??? と現実を知った男は現実から逃避。


「あれ? くれないーくんーーー?」


 エリカが手を伸ばして振ってみるも完全静止した蓮見が反応することはない。


「う~ん」


 エリカはチラッと周りを見渡して誰もいないことを確認。

 そして――。


「もうすぐに傷付いて本当に可愛いんだから、うふふっ」


 と、キスをしてみる。

 だが――可笑しいことに気付く。

 今までだったらこれで跳ね上がって現実に戻ってくるのに今日は戻ってこない。

 まだ魂が肉体から乖離しているらしく、一ミリも動いてくれない。


「あ、あれぇ???」


 流石に気を引きたかったとは言え、この冗談もしかして度が過ぎてる? と冷静に自分がやらかしたことに気付いたエリカ。


「あはは~、ま、まさかね……く、紅君? じ、冗談よね???」


 残念ながら冗談などではない。

 ここに来るまで朱音を筆頭に現実世界でもお化け騒動から恋愛騒動まで沢山の可愛い悪戯を受けてきた蓮見の脳はやせ我慢の限界に来ていたのだ。

 つまる所――PCで言うところの一旦シャットダウンからの再起動である。


 完全復活まで後どれくらいの時間が必要なのかわからない以上今攻撃を受けでもしたら大変なことになる。

 そんな嫌な予感が現実になるまで時間を要することはなかった。


 ――カンカン!!!


 拠点の周りに配置したトラップに敵が知らず知らずのうちに引っかかってくれた。

 それにより拠点内に敵が近づいてきていることを教えてくれる。

 

「嘘でしょ? こんなときに!?」


 慌てて窓から外を確認すると、なにやら拠点に繋がる道が騒がしい。

 大勢の野鳥が一斉に逃げだす姿がそれを物語っていた。

 森の茂みを利用して近づいてくる者たちにエリカは苦笑いしかできない。

 まさかこんなことになるとは誰も思っていないから……あはは。



「さぁ、勝負と行こうじゃないか【神炎の神災者】」



 拳を握り五十人の攻撃部隊を率いてやって来たトッププレイヤーの一人は【深紅の美】ギルド拠点を視界で捉えて力強い声で呟いた。


 そんな【深紅の美】ギルドに近寄る更に別の影もあった。

 それは敵か味方か――。



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