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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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神災竜の相棒となったメールと新技(神災)お披露目会 後編


 ――しばらくして。

 関節が自由になり解放された蓮見は砂浜に倒れて大空を眺めていた。


「いたい……」


「幾らゲームの中でもしていいことと悪いことがあるわよ!」


「幾らゲームの中だけの相手でもそう言った直接的なアプローチをされると私も女だし嫉妬しちゃうんだけど?」


 三人の言葉のキャッチボールは誤解が邪魔して上手くできない。

 だからと言って弁解しようとすればいつもの流れで第二波がきそうなのでここは何も言わないことで時間に解決を任せることにする蓮見。


(朱音さんの場合は女と言うよりかは美魔女だけどな)


 一応心の中で突っ込みも入れておく。

 すると着替えを終えたメールが戻ってきた。

 白色のワンピース姿のメールは何かを期待したような目で蓮見を見下ろしてきたので、そのまま起き上がり「似合ってるぞ」と声をかけて頭を撫でてあげる。

 すると「ありがとう!」と頬を染めて照れるメールがいた。




 それから蓮見は一度大きく深呼吸をして気合いを入れる。


「メール。自己紹介が終わった所悪いんだがアレ行けるか?」


「……アレ? あっ!? アレね! 勿論!」


 蓮見の意図を瞬時に理解したメールは満面の笑みで答えた。

 そしてメールが人魚の姿へと変貌する。

 エメラルドオーシャン海の女王は抑えていた覇気を放って近くの水上へと着陸する。


「すごっ!?」


「え? なになに?」


「に、人魚!?」 


「わぉー、これまた綺麗ね~」


「これが召喚獣。中々に興味深いわね。でもダーリンの力を引き出すには相当な力がないと無理な気がするけど」


 女子五人の感想を耳で聞きながら蓮見も変身して第三形態へと変わる。

 第四層に突然出現した神災竜の姿に海辺デートを楽しんでいたカップルがポカーンと口を開けて固まり、浜辺で遊んでいた少年少女たちの意識を全て引き寄せ、ギルドでチーム練習をしていた者たちの練習を強制的に中断させ注目の的となる蓮見とメール。


 普通なら。

 ふーん、なにかするのか? ぐらいにしか思わないだろう。

 だけど神災の原点にして頂点のこの男だからこそ嫌でも皆の意識が吸い寄せられてしまうのだ。


「いくぜ、メール! これが俺様超全力シリーズ究極超新星爆発だ!!!」


 蓮見の声に合わせてメールが海中に生成した魔法陣に海の水を吸水させて圧縮。


「スキル『パワーアタック』『ハイドロポンプ』!」


 一点に凝縮した水は風を切り裂く水の刃となって大空に飛翔していく。


「スキル『パワーアタック』『紅蓮弾』!」


 メールのスキルを模倣でコピーしてパワーアタックからのスキル『紅蓮の矢』を手に入れた際におまけでついてきた紅蓮弾。効果は全く同じで矢で放つか杖や銃で放つかの違い。簡単に言えば名前が少し違うだけで後は全部同じのスキル。砲身に全てのMPゲージをつぎ込んだ蓮見は水の刃に向けて渾身の一撃を放った。

 砲身先に出来た赤い魔法陣を通り、銃弾が熱を帯び真っ赤になる。そのまま鉄でできた表面を溶かすほどの熱を帯びながら水の刃の先端で衝突。

 二つの力は反発し大爆発を起こす。


 ――ドドドドドドドドドッ!!!


 青い大空が水飛沫で見えなくなり、海面は爆風の影響を受けて大きな穴を作る。

 海が怒ったかのように大きな波が蓮見を見ていた者たちや観光客に襲い掛かり、爆風が海の上を散歩していたモンスター(カモメやトンビ)を一掃してしまう。


「ふぅ~。まぁ今の状態なら試し打ちだしこんなもんだろ」


「だね、お兄ちゃん!」


 高波から逃げるようにして大空に飛び立った者と海の女王の一人であるメールは高波でも平然とした態度で蓮見の言葉に頷く。対して危機感を覚えると同時に神災竜の頭上に避難した女五人は急に頭が痛くなってしまった。


 そう五人は間違いなく耳にした――試し打ちでこれだ。


「やっぱりこれは俺様戦隊とメールの息も大事になってくると思う。だから本番ではよろしく頼むぜ!」


「わかってるよ! 私の竜巻とハイドロポンプが組み合わさって水昇するとき火災爆破水蒸気旋風《お兄ちゃん》が合流してさらなる力を手にするんだね!」


「あぁ! 竜巻はメールからコピーすればいいからな! それにミズナさんの『爆焔:chaos fire rain』も加わる予定だ! あとはそれを俺がコピーしてさらに倍すれば正真正銘の究極超新星爆発が完成するんです! ってことで流れはこんな感じなんですけどミズナさん第五回イベントはよろしくお願いします!」


 つまりこれはただのお披露目会などでなく、七瀬にこんな感じでとイメージを持たせるためのかなり火力を抑えた試し打ちだと気付いた五人は心の中で大きなため息ついた。

 軽く見積もって今の十倍……果たしてそれを誰に向けて放つのかということである。仮に敵に向けて撃ってもその敵以外にも周囲にいる者を敵味方なく殲滅してしまいそうな究極超新星爆発は絶対に安易な気持ちでは放ってはいけない【深紅の美ギルド】の切り札とこの瞬間なったのだった。


「……えっ、あっ、うん……私頑張るよ……」


 なぜか嬉しい気持ちになれない七瀬は頬を引きずりながら返事をした。


「お願いします! ってことでメールありがとうな! 今日はもう終わりだからゆっくりと休んでくれ」


「わかった!」


「本当は実践をイメージして練習したいんだけど流石にそれをすると相手に手の内が完全にバレてしまうから本番はぶっつけ本番になる。だから後は頭の中でイメージだけしておいてくれ!」


「それなら任せてお兄ちゃん!」


「おう!」


「なら次はイベントで会おうね!」


 そう言ってメールは姿を消した。

 同時にメールはただ可愛いだけでなく、蓮見のパートナーを務めるに相応しい人物《召喚獣》であることを五人は認めた。


「まるでこの世界を破壊する破壊神。世界の創造主たちは今頃大変そうね、うふふ」


 それから月日が経ち第五回イベント当日を迎えるのであった

 ついにこの日がやって来た。

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